千歳市立真町中学校

北海道千歳市真々地にかつて存在した千歳市立真町中学校は、公立の中学校として地域の子どもたちと共に歴史を刻みました。1972年（昭和47年）1月に開校し、2012年（平成24年）3月に閉校するまでの40年間、多くの学び舎として機能しました。

この学校の誕生は、当時の千歳市が迎えていた急激な人口増加に端を発しています。千歳空港の拡張、新たな工業団地の整備、そして冷戦期における航空自衛隊千歳基地の増強といった要因が重なり、市には多くの人々が移り住み、特に若い世代が急増していました。これにより、既存の千歳市立青葉中学校では生徒を収容しきれなくなり、その過密状態を解消するために真町中学校が分離・開校したのです。開校初年度は、1年生107名、2年生94名の計201名で船出しました。

開校に際しては、地域住民や保護者から温かい祝福が寄せられ、祝賀会では保護者から体長1メートルもの巨大なマグロが差し入れられるという、地域との結びつきを示すユニークなエピソードも残されています。また、開校の翌年には野球部が中体連全道大会で見事優勝を果たし、その活躍は地域の大きな喜びとなりました。試合の結果は、町の消防署の望楼から表示板によって速報されるなど、学校と地域が一体となった応援が繰り広げられました。

開校後も学校は発展を続け、1975年2月には講堂が完成し、教育活動の場が拡充されました。しかし、千歳市の人口構造も変化し、生徒数の増加に対応するため、1987年4月には真町中学校から千歳市立向陽台中学校が分離独立しました。これは、その時々の地域の状況に合わせて学校の体制が再編されてきたことを示しています。

学校は地域と共に歩み、隣接地には1991年10月に「ままちの丘公園」が開園するなど、周辺環境も整備されました。開校30周年を迎えた2001年には記念事業が行われ、学校の歴史が改めて振り返られました。

しかし、時代の流れとともに、全国的な少子高齢化の波は千歳市にも及び、真町中学校の生徒数も減少の一途をたどるようになります。生徒数の減少は学校運営に影響を与え、その結果、真町中学校は閉校という大きな決断を迫られました。2011年11月には閉校祈念式典と記念碑の除幕式が執り行われ、惜しまれつつも40年間の歴史に幕を閉じる準備が進められました。そして、2012年3月、第40回卒業式をもって真町中学校は閉校し、千歳市立千歳中学校に統合される形となりました。

開校から閉校までの40年間で、真町中学校は合計2863名の卒業生を社会に送り出しました。彼らはこの学び舎で過ごした日々を胸に、それぞれの道を歩んでいます。興味深いことに、真町中学校が閉校したのと同じ2012年4月には、市内の別の地域に千歳市立勇舞中学校が開校しており、これは千歳市における学校配置の再編が進められていた時期であったことを示しています。

閉校後の真町中学校の校舎は、現在、北海道千歳高等支援学校として活用されており、教育施設としての役割を引き継いでいます。かつて子どもたちの声が響いた学び舎は、形を変えながらも、引き続き地域の教育の一翼を担っています。

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