千葉公園野球場

千葉公園野球場

千葉公園野球場（ちばこうえんやきゅうじょう）は、千葉県千葉市中央区弁天に位置し、広大な敷地を持つ千葉公園の一角にかつて存在した野球場です。1949年（昭和24年）に開設されて以来、約70年にわたり地域に親しまれましたが、2020年3月31日をもってその歴史に終止符が打たれました。この球場の特筆すべき点の一つは、隣接する千葉都市モノレール2号線の千葉公園駅に近接しており、モノレールに乗車しながらグラウンドの様子を垣間見ることができたことです。閉場後、その跡地は千葉公園全体の再整備計画に基づき、大規模イベント開催も可能な芝生広場や、利用者が休憩できるカフェなどが整備される新たな憩いの空間へと生まれ変わる予定です。

歴史

この球場は1949年に、周囲の地面より掘り下げられた、当時としては珍しい構造で誕生しました。開場から間もない1950年（昭和25年）4月には、日本の学生野球界において重要な節目となる日本学生野球協会結成記念大会の舞台となりました。さらに、プロ野球の公式戦も開催された実績を持ちます。具体的には、開場翌年の1950年、そして1952年（昭和27年）から1956年（昭和31年）にかけて、合計13試合が実施されました。これらの試合は、セ・リーグが7試合、パ・リーグが6試合という内訳でした。

プロ野球開催期間を終えた後は、主にアマチュア野球の活動拠点として利用されました。長年にわたり高校野球千葉大会の会場としても重要な役割を果たしましたが、2001年（平成13年）を最後に高校野球での使用は終了しました。その後、安全上の理由から硬式球および準硬式球の使用が禁止され、軟式野球専用の球場として利用が続けられました。施設の老朽化や公園全体の再整備計画が進む中で、千葉市は2019年8月に策定された『千葉公園再整備マスタープラン』に基づき、本球場を2020年3月をもって廃止することを決定しました。そして、計画通り2020年3月31日、多くの野球ファンや市民に親しまれたこの球場はその役目を終えました。

プロ野球公式戦開催実績

千葉公園野球場では、1950年と1952年から1956年にかけて、合計13試合のプロ野球公式戦が開催されました。この期間には、当時の日本のプロ野球を彩った様々な球団がこのグラウンドで熱戦を繰り広げました。主な出場球団としては、読売ジャイアンツ、国鉄スワローズ（現在の東京ヤクルトスワローズ）、名古屋ドラゴンズ（現在の中日ドラゴンズ）、広島カープ（現在の広島東洋カープ）、大映スターズ、毎日オリオンズ（現在の千葉ロッテマリーンズの前身の一つ）、近鉄パールス（後の大阪近鉄バファローズ）、洋松ロビンス（現在の横浜DeNAベイスターズの前身の一つ）などがあります。

特に1952年8月5日には大映スターズ対近鉄パールスのダブルヘッダーが行われたほか、1955年5月3日の大映対近鉄、同年5月28日の国鉄対広島、1956年7月21日の大映対近鉄といった試合も開催され、当時のプロ野球の地方開催の一端を担っていました。

施設概要

球場の敷地面積は約24,750平方メートルでした。グラウンドサイズは、両翼が92メートル、中堅が119メートルと、当時の標準的な広さを有していました。内野は土、外野は芝で構成され、自然のコンディションでのプレーが可能でした。収容人員は合計10,000人で、内野エリアにはベンチシートと立ち見スペース合わせて5,000人、外野の芝生席には5,000人がそれぞれ収容できました。スコアボードは手書き式を採用しており、試合のスコアや経過は手作業で更新されていました。照明設備も完備されていたため、夜間試合の開催も可能でしたが、選手が使用する更衣室は設けられていませんでした。

アクセス

交通アクセスに関しては、千葉都市モノレール2号線の千葉公園駅から徒歩約5分と非常に便利でした。また、JR千葉駅およびJR東千葉駅からも徒歩でアクセス可能であり、いずれの駅からも徒歩約15分程度の距離に位置していました。

球場としての役割を終えた後も、その記憶は多くの人々の心に残っており、跡地に整備される新たな施設が、再び多くの人々に利用される場所となることが期待されています。

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