半山区

半山区（はんざんく、英語: Mid-Levels）は、香港島の北部、中心部の高台に広がる住宅地域です。この地域は、香港でも有数の高級住宅地として知られ、南側は山頂、北側はビジネス街である中環に接しています。行政区分としては中西区に属し、「半山」とも略称されます。

半山区には、香港人だけでなく多くの外国人富裕層が居住しています。このエリアの象徴的な存在の一つが、「中環至半山自動扶梯（ヒルサイド・エスカレーター）」です。このエスカレーターは、もともと高台にある半山区の住民が、中環や金鐘などのビジネス街へ通勤する際の利便性を向上させるために建設されました。

エスカレーターは通常は上り運転ですが、朝の通勤時間帯には半山区から中環方向への下り運転に切り替わります。このユニークなエスカレーターは、映画『恋する惑星』のロケ地として登場したことで、その名が広く知られるようになりました。また、エスカレーター沿いにはソーホー（荷南美食區）などの観光スポットもあり、エスカレーター自体が観光名所としての地位を確立しています。

建設当初、このエスカレーターは巨額の税金を投じたにもかかわらず、利用者が限られていることから批判の声もありました。しかし、現在では多くの観光客が訪れる人気スポットとなっています。このエスカレーターは、住民の利便性向上という目的だけでなく、観光名所としての新たな価値を生み出し、香港のランドマークの一つとしてその存在感を放っています。

半山区は、その歴史、文化、そして美しい景観が融合した、香港ならではの魅力的な地域と言えるでしょう。

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