卒中

卒中（そっちゅう）

卒中という言葉は、主に以下の意味で使用されます。

脳卒中（のうそっちゅう）：現代医学で使用される用語で、脳血管障害によって脳の組織が損傷を受ける疾患群の総称です。
中風（ちゅうぶう）：中国医学や伝統医療で使用される用語で、脳卒中に相当する状態を指します。

概要

卒中は、脳の血管に異常が発生し、脳への血液供給が途絶えることによって引き起こされます。これにより、脳細胞が酸素不足となり、短時間で損傷を受けます。脳卒中は、発症の原因やメカニズムによっていくつかの種類に分類されます。

脳卒中の種類

脳卒中は、大きく分けて以下の2つのタイプに分類されます。

1. 虚血性脳卒中：脳の血管が詰まり、血液が流れなくなることで発生します。
脳梗塞：血栓や塞栓によって脳血管が閉塞される状態。
一過性脳虚血発作（TIA）：一時的に脳への血流が不足し、短時間で症状が改善する状態。

2. 出血性脳卒中：脳の血管が破れ、脳内に出血することで発生します。
脳出血：脳の血管が破れて脳実質内に出血する状態。
くも膜下出血：脳の表面にある血管（主に動脈瘤）が破裂し、くも膜下腔に出血する状態。

中風（ちゅうぶう）について

中風は、中国医学や伝統医療における脳卒中に相当する概念です。中風は、体内の気血の流れが乱れることによって引き起こされると考えられています。中風の治療には、鍼灸、漢方薬、推拿などが用いられます。

症状

卒中の症状は、脳の損傷を受けた部位や程度によって異なりますが、一般的には以下の症状が見られます。

片側の手足の麻痺やしびれ
顔面の麻痺
言葉のもつれや理解困難
視力障害
激しい頭痛
めまいやふらつき
意識障害

診断

卒中の診断には、以下の検査が行われます。

神経学的検査：医師が患者の運動機能、感覚、反射などを評価します。
脳画像検査：CTスキャンやMRIを用いて、脳の状態を詳細に調べます。
血管造影検査：血管の状態を評価するために行われます。
心電図検査：心臓の状態を評価し、脳卒中の原因となる不整脈の有無を確認します。

治療

卒中の治療は、発症の種類や重症度によって異なります。主な治療法としては、以下のものがあります。

薬物療法：血栓を溶かす薬（t-PA）や、脳の保護薬などが使用されます。
外科的治療：血管の閉塞を取り除く手術や、出血を止める手術が行われることがあります。
リハビリテーション：麻痺した手足の機能回復や、言語障害の改善を目指します。

予防

卒中の予防には、以下の生活習慣の改善が重要です。

高血圧の管理
糖尿病の管理
高脂血症の管理
禁煙
適度な運動
バランスの取れた食事
適切な体重維持

関連項目

脳血管障害

卒中は、早期発見と適切な治療が重要です。疑わしい症状が現れた場合は、速やかに医療機関を受診してください。

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