卒業制作 (アルバム)

SHISHAMOの原点『卒業制作』

『卒業制作』は、ガールズバンドSHISHAMOが高校時代に制作した自主制作CDであり、彼女たちの原点とも言える作品です。2013年1月にGOOD CREATORS RECORDSからリリースされ、同年11月にはFAITH MUSIC ENTERTAINMENT INC.から再リリースされました。この作品は、彼女たちの高校生活の集大成であり、初期の代表曲が数多く収録されています。

リリースまでの道のり

2012年10月にリリースされた「宿題が終わらない」が音楽評論家の鹿野淳氏に高く評価されたことをきっかけに、SHISHAMOは注目を集め始めました。『MUSICA』でのインタビュー掲載や『オールナイトニッポンR』のパーソナリティ担当など、メディアへの露出が増える中で、『卒業制作』のリリースが発表されました。

2013年2月には、タワーレコード渋谷店でリリース記念インストアイベントが開催され、購入者特典としてライブが披露されました。さらに、本作を携えて全国11箇所を巡るツアー『卒業旅行』も開催され、最終日には地元・川崎市でフリーライブが行われました。

同年11月には、デビューアルバム『SHISHAMO』の発売に合わせて『卒業制作』も再リリースされました。再リリース版では、ジャケットのイラストが変更され、ブックレットにはメンバー3人による全曲解説やコード譜が追加されました。

収録曲と楽曲解説

『卒業制作』には、以下の10曲が収録されています。

1. 宿題が終わらない
2. お菓子作り
3. 君に告白した理由
上記3曲は、初音源となる自主制作CD『宿題が終わらない』にも収録されていた楽曲です。「お菓子作り」は、ライブバージョンからスタジオ録音バージョンにアレンジされています。
4. 夢のはなし
ミュージックビデオがYouTubeで公開されていましたが、現在は非公開となっています。仮タイトルは「天井」でした。
5. 絆創膏
吉川美冴貴が初めて作詞に挑戦した楽曲です。当初、歌詞をメンバーに見せることをためらっていたそうですが、宮崎朝子がすぐに曲をつけ、その場で弾き語りを披露したというエピソードがあります。
6. 熱冷まシート
高校時代、メンバーが実際に熱冷まシートをおでこに貼ってライブを行ったというエピソードを持つ楽曲です。
7. 冬の唄
SHISHAMO初のバラードであり、宮崎朝子が「初めて真面目な恋愛の歌詞を書いた」と語る楽曲です。
8. 第3ボタン
宮崎朝子の中学時代の経験が基になった楽曲です。アルバムのレコーディングの最後に制作され、宮崎自身も「初めて好きな曲ができた」と語るほど思い入れのある曲です。この曲は、『SHISHAMO 2』に収録された「さよならの季節」と卒業をモチーフにしている点で関連性があります。

参加ミュージシャン

宮崎朝子：ギター、ボーカル
松本彩：ベース
* 吉川美冴貴：ドラムス


『卒業制作』は、SHISHAMOの音楽的なルーツを知る上で非常に重要な作品です。彼女たちの初期衝動と才能が詰まっており、ファンならずとも必聴の価値があると言えるでしょう。

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