卒業M

卒業M：友情と青春、そして少しの恋？全寮制男子校の物語

「卒業M」は、有栖川ケイ氏原作による少女[[漫画]]、およびゲーム、ドラマCD、OVA、小説など様々なメディアミックス展開を繰り広げた作品群の総称です。略称は「卒M」。舞台は全寮制の男子校、誠龍高校。元々は女性向け恋愛シミュレーションゲーム『卒業』の男性版として企画されたプロジェクトで、ゲーム制作を最終目標に多角的な展開が行われました。「M」は「male」を意味し、まさに男性版『卒業』という位置づけです。

全寮制男子校という舞台設定と、若干匂わせる描写からボーイズラブ作品と誤解されることもありますが、基本的には5人の男子高校生（メインキャラクター5人をまとめて「M」と呼ぶ）の友情物語です。ただし、女性を恋愛対象とする点が特徴的で、作中では女性キャラクターへの想いを寄せる描写や、女性とのデートシーンが描かれたCDなども存在します。

メインキャラクターである5人の「M」は、初期設定ではロックバンドを組んでおり、それぞれ個性豊かなキャラクターです。

新井透吾：不良っぽく見えるが成績優秀で人情家。料理が得意。
加藤勇祐：五感が鋭いスポーツ万能な少年でバスケットボール部部長。
志村未希麿：幼い外見がコンプレックスだが明るく、情報通。
高城紫門：イギリスと日本のハーフでナルシストだが美形。
* 中本翔：秀才で優等生だが、人付き合いが苦手。

彼らに加え、生徒会長の草薙瑞穂、秘書の杉田龍之介、OBの川添遥など個性的なキャラクターが物語を彩ります。草薙と杉田は、留年を繰り返す変わり者と、常識人という対照的な関係性も魅力の一つです。

連載途中で出版社が変更されたという経緯があり、杉崎ゆきる氏作画の『卒業M』（月刊Asuka／角川書店）と、西臣匡子氏作画の『卒業M＋Plus』（別冊少女コミック／小学館）が存在します。出版社変更により、サブタイトルにおける「僕たち」と「オレたち」の使い分けにも違いが見られます。杉崎ゆきる氏作画の『卒業M』は、現在では公式記録から抹消されています。

漫画は読み切り形式で構成されており、各巻は独立した物語となっています。小説版も存在し、『卒業M』のこたにみや氏版ではバンド設定が踏襲されているのに対し、『卒業M＋Plus』の有栖川ケイ氏版では異なる描写が見られます。

当初の予定とは異なり、発売されたゲーム『卒業M～生徒会長の華麗なる陰謀～』は恋愛アドベンチャーゲームとなりました。プレイヤーは杉田龍之介の妹という設定で、行方不明になった兄を捜すため誠龍高校を訪れ、「M」たちと共に事件を解決していきます。全6章構成で、5人の中からパートナーを選び、親密度を上げていくシステムが特徴です。

さらに、ドラマCD、OVA、キャラクターグッズ、そしてメインキャラクター5人の声優によるユニット「E.M.U」の音楽活動なども展開され、多様なメディアミックスで「卒業M」の世界観は広がっていきました。OVA作品には、文化祭を舞台にした物語や、個性豊かな登場人物たちの絡みが描かれています。ラジオドラマも複数シリーズ展開され、作品世界をさらに深めています。

『卒業M』は、友情、青春、そして少しの恋心を織り交ぜた、魅力あふれる作品です。様々なメディアを通して、このユニークな男子高校生の物語を体験してみてください。

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