南一郎平

南 一郎平（みなみ いちろべえ）について

南一郎平は1836年に生まれ、1919年に亡くなった日本の著名な建設事業者および実業家です。彼は大分県宇佐市の出身であり、特に水利に関連する土木工事において大きな影響を与えました。名を改めて南尚と呼ばれるようになる晩年まで、彼は数多くの事業に携わりました。

幕末から明治の建設事業

生涯を通して私が仕込んだ経験を活かし、南は広瀬井手や高森水路の開発に取り組み、幕末から明治にかけての建設事業において多大な貢献を果たしました。彼の父、宗保の意志を受け継ぎ、連続的に試みられてきた広瀬井手の建設を展開しました。この事業は1751年から3度にわたって試みられましたが、困難に直面し未完に終わっていました。南は自身の事業を興し、1865年に資金援助を受けて工事を進めましたが、公金の借用も影響し、2度の入牢を余儀なくされました。

1869年には明治新政府に援助を直訴し、調査の結果、工事は進展することができました。水路は1870年に通水しましたが、その後の残工事を私財で賄い、1873年に完成にこぎつけます。

政府での活動

彼は1875年に上京し、内務省における農務課などに勤務し、その後も数々の役職を歴任します。特に安積疏水の工事に携わり、その計画は彼の「琵琶湖水利意見書」に基づいています。彼は疏水工事において、その高い技術力を持つ技術者を招き入れ、様々な現場での工事を推進しました。

現業社の設立と建設事業

1886年には鉄道局に転職し、その後、建設会社「現業社」を設立します。鉄道建設業界においても活躍し、いくつかのトンネル工事に従事しました。特に直江津線と箱根のトンネル工事が知られていますが、箱根の工事では古い技術に依存し、コストが大幅に超過する結果となりました。

晩年と地域社会への貢献

南は1890年にクリスチャンとなり、1899年には改名を果たします。晩年は東京府武蔵野村に住み、顕彰碑の揮毫など地域への貢献を行いました。彼は、生涯を通じて建設事業において重要な役割を果たし、国家の発展に寄与したとされています。

南一郎平の功績は、実業界において隠れた偉人と称され、多くの人々に評価されました。彼の遺族には陸軍大将や朝鮮総督を歴任した南次郎がいることも示すとおり、彼の影響は彼自身の家族にも及びました。彼の死後も故郷に顕彰碑が立てられ、その功績は今日なお称賛されています。

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