南匯区

南匯区（ナンワイく）について

南匯区は、かつて中華人民共和国上海市に存在した市轄区です。上海市の東南端に位置し、南は杭州湾、東は東シナ海に面していました。北は浦東新区、西は奉賢区と隣接しており、海岸線の総延長は59.5キロメートルに及びました。

地理

南匯区は、上海市の東南端に位置し、南は杭州湾、東は東シナ海、北は浦東新区、西は奉賢区と接していました。海岸線の総延長は59.5キロメートルでした。この地理的な特徴は、南匯区の歴史と経済に大きな影響を与えました。

歴史

区名の由来は、長江の水が潮流の影響で南に方向を変え、銭塘江と合流することに由来します。1386年、明朝が倭寇に備えるために南匯嘴（現在の恵南鎮）に築城した南匯嘴千戸が、その前身です。1726年には清朝により南匯県に昇格しました。当初は江蘇省の管轄でしたが、1958年に上海市管轄に移管されました。その後、2001年1月9日に市轄区に昇格し、南匯区と改称されました。しかし、2009年5月6日には廃止され、隣接する浦東新区に統合されました。

行政区分

南匯区は、以下の14の鎮を管轄していました。

恵南鎮
新場鎮
大団鎮
周浦鎮
航頭鎮
芦潮港鎮
康橋鎮
宣橋鎮
六灶鎮
祝橋鎮
泥城鎮
書院鎮
万祥鎮
老港鎮

これらの鎮は、南匯区の多様な地域性を反映していました。

経済

南匯区の経済は、特に洋山港の開発によって大きく発展しました。大型コンテナ船に対応するために、杭州湾の沖合にある水深の深い洋山島を新たな上海港とする構想のもと、浚渫工事と埋め立て工事が実施されました。2005年末には洋山港が完成・供用され、長さ32.5kmの東シナ海大橋によって沖合いの洋山港と結ばれました。南匯区の埋立地では、新都市「臨港新城」の開発も進められ、積極的な経済建設が行われました。また、東シナ海大橋で洋山保税港区と連絡される好立地から、多くの工場が立地しました。代表的な企業としては、ドイツのシーメンス、ノルウェーのUNITOR、イタリアのRINTAL SPA、台湾のアスースコンピューター、中国資本の上海祥智紙業合作公司、紙托盤の上海惠麗紙箱工場などが挙げられます。

観光地

南匯区には、以下の観光地がありました。

上海野生動物園
上海鮮花港

これらの観光地は、南匯区の自然と文化を楽しむ上で重要な役割を果たしていました。

南匯区は、その地理的な特徴、歴史、そして経済的な発展を通じて、上海市の重要な一部を担っていました。その歴史は、上海の都市開発と経済成長を理解する上で欠かせない要素です。

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