南寧作戦

南寧作戦とは

南寧作戦は、日中戦争中の1939年11月15日から12月1日までの期間に、日本軍が広西省の南寧を占領し、「援蔣ルート」を遮断することを目指した作戦です。この作戦は中国側では桂南会戦と呼ばれています。

背景

日中戦争は長期的な持久戦となる中で、日本側は中国と海外列国を結ぶ補給の道である援蔣ルートを遮断することが戦略的に重要であると考えました。特に「仏印ルート」は1938年頃から輸送量が急増しており、その影響力が増していました。日本は外交交渉でフランスに禁令を要請しましたが、アメリカやイギリスの利権が絡んでいるため、交渉は難航していました。

1939年になると、海軍から南寧攻略の提案が浮上しましたが、陸軍部は対ソ連に重点を置いていたため、これを無視しました。しかし、ノモンハン事件の影響で、統帥部が新たなリーダーの下に変わり、南寧作戦の実行が決定されたのです。

参加兵力

日本軍

• - 第21軍（軍司令官：安藤利吉中将）
• - 第5師団（師団長：今村均中将）
• - 及川支隊（歩兵第9旅団長：及川源七少将）
• - 中村支隊（歩兵第21旅団長：中村正雄少将）
• - 台湾混成旅団（旅団長：塩田定市少将）
• - 協力部隊：第二遣支艦隊、第3連合航空隊

中国軍

• - 桂林行営（主任：白崇禧）
• - 第16集団軍（総司令：夏威、広西軍の6個師）
• - 第31軍（軍長：韋雲淞）
• - 第46軍（軍長：何宣）
• - 第200師（中央軍第5軍所属の機械化部隊）

作戦経過

日本軍は海南島の三亜湾から約70隻の輸送船団を利用して11月15日から16日にかけて上陸しました。中国軍の不意をついた上陸作戦は、荒天にもかかわらず比較的スムーズに進行しました。上陸後、日本軍は中国軍を追撃し、邕江の北岸まで進出します。

11月24日、日本軍は南寧市内に突入し、重要な拠点を占領しました。その後、掃討作戦を行い、周辺高地を確保しました。この間、日本海軍の航空機による地上攻撃も行われ、地上部隊を支援しました。

南寧攻略後の状況

南寧を制圧した後、今村中将は防衛体制を強化しました。しかし、12月2日には中国軍の反撃が始まり、日本軍は中国軍の攻撃に対抗するために出撃しました。

さらに、南寧攻略後、日本軍は広西軍閥との接触を試みました。しかし、蔣介石が中央軍を動員し、反攻を決定すると、大規模な中国軍が南寧周辺に集結し反撃を開始しました。

竜州攻略

南寧攻略後、日本は竜州における物資の押収を目指し、及川支隊を派遣しました。彼らは竜州と鎮南関を占領し、その過程で多くの軍用物資を押収しましたが、最終的に南寧へ撤退することとなりました。

結論

南寧作戦は、日本軍にとって重要な戦略的勝利であり、以降の戦況に大きな影響を与えました。しかし、南寧を巡る争いはまだ終わらず、蔣介石の指揮による大規模な反攻が待ち受けていました。この戦闘は、日中戦争における双方の戦略と指揮力を反映した重要な局面となったのです。

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