南山国際中学校・高等学校

南山国際中学校・高等学校について

南山国際中学校・高等学校（なんざんこくさいちゅうがっこう・こうとうがっこう）は、かつて愛知県豊田市亀首町八ツ口洞に位置していたカトリック系の私立中高一貫校です。この学校は、特殊な教育方針として帰国子女や外国籍の生徒に焦点を当てており、英語教育を強化していました。しかし、徐々に生徒数が減少したことに加え、累積赤字が解消されない見込みから、最終的には新入生の募集を2018年度に停止し、2023年の3月31日をもって閉校することとなりました。

沿革

この学校の歴史は1978年から始まります。当初、南山学園で帰国子女の受け入れを開始し、その後1981年に国際部が南山中学校に設立されました。そして1993年には南山中学校国際部を独立させる形で南山国際高等学校・中学校が開校しました。2015年には2018年度からの生徒募集停止が決定し、2020年には休校、その後2023年に閉校式を迎えました。学校跡地は豊田市の特別支援学校に転用される予定です。

教育方針と特徴

この学校では「Hominis Dignitati/人間の尊厳のために」をモットーに、キリスト教精神に基づいた教育を実施していました。神の愛による創造を通じて、人間と世界に対する謙虚さや責任感を育むことを目的としていました。人間は神の似姿であり、創造の責任を果たす者としての意識の重要性が強調されていました。

また、英語教育にも力を入れており、外国人教員が授業を担当し、外国文化についても学ぶことができるカリキュラムが組まれていました。個々の生徒のレベルに応じたクラス編成で、洋書を使用した授業を行うことで、国際的な視野を育てることを目指していました。

施設

南山国際中学校・高等学校の校舎は、鉄骨コンクリート製の3階建てで、平和の象徴であるハトをモチーフにした設計が特徴的でした。敷地内には講堂や体育施設も完備されており、入学式や卒業式、文化祭など多様な行事に用いられました。特に、小島講堂は約800人を収容できる大きさで、音楽演奏にも適した設計が施されていました。

また、競技用の温水プールや多機能なアリーナもあり、様々なスポーツ活動に利用されていました。テニスコートも4面あり、主にテニス部によって活用されていました。

著名な卒業生

南山国際中学校・高等学校は多くの著名な卒業生を輩出しています。例えば、NHKアナウンサーの杉浦友紀や、音楽活動を行っているMasato（Coldrainのメンバー）、タレントの森山るりなどがいます。これらの卒業生はそれぞれの分野で活躍し、学校の名声を高めています。

アクセス

この学校へは名鉄豊田線の浄水駅からスクールバスで約20分、愛知環状鉄道の新豊田駅からは30分ほどでアクセス可能でした。しかし、閉校に伴い、これらの交通手段の利用も終了しています。南山国際中学校・高等学校は、独自の教育理念と国際的な視野を持った教育を実践し、一時代を築いた学校でしたが、様々な要因によりその役割を終えました。

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