南山舎

南山舎

南山舎株式会社は、沖縄県石垣市に本社を構える出版社であり、その地理的な位置から「日本最南端の出版社」として知られています。

概要・特徴

1987年、地元の潮汐や月齢、旧暦などを掲載した『八重山手帳』の発行をきっかけに設立されました。1992年5月からは、八重山諸島の地域住民に向けたタウン情報誌『月刊やいま』（創刊時は『情報やいま』）を発行し、地域に密着した情報を提供しています。

出版物としては、「やいま文庫」シリーズや「八重山に立つ」シリーズといった、地域の歴史や文化に関する単行本を多数刊行しています。また、自費出版の制作も手がけており、地域の人々の表現活動を支援しています。

八重山諸島は観光地としても人気が高いため、観光客・旅行者向けの出版物にも力を入れています。1994年8月からは旅行ガイドブック『やえやま GUIDE BOOK』、2004年12月からはフリーペーパー『やえやまなび』を刊行し、八重山諸島の魅力を発信しています。

2016年には、長年にわたる出版・文化活動の功績が認められ、第38回琉球新報活動賞を受賞しました。

八重山手帳

先駆性

『八重山手帳』は、沖縄県内で広く親しまれている『沖縄手帳』よりも6年早く、1988年版から発刊されています。地域に特化した手帳としては、先駆的な存在です。

内容

旧暦や伝統行事に関する情報は『沖縄手帳』と共通していますが、『八重山手帳』の特徴は、八重山歴史年表や詳細な地図が掲載されている点です。これにより、八重山の歴史や地理に対する理解を深めることができます。

サイズ

大小2種類のバージョンがあります。家庭や会社に常備するのに適した大きいサイズ（シーシー版）と、ポケットなどに入れて携帯するのに便利な小さいサイズ（アンガマ版）があります。コンテンツは共通している部分が多いですが、シーシー版の方がより充実した内容となっています。

流通

石垣市内の書店やコンビニエンスストア、土産店などで販売されています。また、八重山出身者などを対象に、オンライン[[書店]]を通じた販売も行っています。

主な単行本

南山舎からは、以下のような地域に関する重要な書籍が刊行されています。

大田静男『八重山の戦争』（1996年） - 日本地名研究所風土研究賞、沖縄タイムス出版文化賞正賞受賞
松田良孝『八重山の台湾人』（2004年） - 沖縄タイムス出版文化賞正賞受賞
前新透『竹富方言辞典』（2011年） - 第59回菊池寛賞、沖縄タイムス出版文化賞受賞
安本千夏『島の手仕事 -八重山染織紀行-』（2015年） - 沖縄タイムス出版文化賞正賞、第14回パピルス賞受賞
嵩西洋子『沖縄八重山発　南の島のハーブ』(2018年) - 沖縄タイムス出版文化賞正賞

これらの書籍は、八重山諸島の歴史、文化、自然に関する理解を深める上で貴重な資料となっています。

外部リンク

南山舎
やいまタイム
やえやまなび
* 島のもの屋

南山舎は、地域に根ざした出版活動を通じて、八重山諸島の文化を支え、その魅力を発信し続けています。

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