南方熊楠顕彰館

南方熊楠顕彰館

南方熊楠顕彰館は、和歌山県田辺市にある博物館類似施設です。南方熊楠（1867-1941）は、生涯をかけて人文・自然科学の多岐にわたる研究を行った人物で、その膨大な研究資料は、晩年を過ごした田辺市の邸宅に保管されていました。

概要

熊楠の死後、これらの資料は遺族によって大切に保存されてきましたが、2000年に最後に残った長女・文枝が亡くなり、邸宅と資料は田辺市に寄贈されました。田辺市は、老朽化していた南方邸を修復し、熊楠が存命時の状態に復元するとともに、熊楠の生涯と業績を紹介・保存するための顕彰館を、邸宅の北隣に建設しました。

顕彰館では、熊楠が収集した蔵書、文献、書簡、標本などが展示されており、その業績を広く知ることができます。また、熊楠に関する研究を推進し、情報発信の拠点としての役割も担っています。

沿革

1941年12月29日 - 南方熊楠が死去。
2000年6月10日 - 熊楠の長女・文枝が死去。遺志により、熊楠旧邸と資料が田辺市に寄贈される。
2002年 - 顕彰会が南方熊楠研究所（仮称）の基本構想を策定。
2003年 - 南方熊楠研究所（仮称）の基本計画案が策定。
2003年5月 - 南方熊楠研究所（仮称）の設計提案競技が実施。
2004年8月 - 施設名称が「南方熊楠顕彰館」に決定。
2004年10月 - 起工式が行われる。
2005年7月 - 顕彰館が竣工。
2005年11月 - 南方熊楠邸の整備工事が開始。
2006年3月 - 南方熊楠邸の整備工事が完了。
2006年5月14日 - 顕彰館が開館。
2015年3月26日 - 南方熊楠邸の建物4棟（主屋、書斎、土蔵、井戸屋形）が登録有形文化財に登録。

顕彰会の活動

熊楠の業績を顕彰するため、1987年6月に「南方熊楠邸保存顕彰会（現南方熊楠顕彰会）」が発足しました。顕彰会は、募金活動や基金の積み立てを通じて、資料の調査研究、整理保存、南方熊楠賞の制定、講演会の開催、南方邸の公開など、様々な事業を実施しています。

南方熊楠邸

顕彰館に隣接する南方熊楠邸は、熊楠が晩年を過ごした場所であり、その生活空間を垣間見ることができます。修復された邸宅内では、熊楠が使用していた書斎や土蔵などを見学でき、当時の雰囲気を肌で感じることができます。

アクセス

所在地: 和歌山県田辺市中屋敷町

周辺施設

南方熊楠記念館
ひき岩群ふるさと自然公園センター

外部リンク

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