南條史生

南條史生について

南條史生（なんじょう ふみお）は、1949年4月21日、東京都に生まれた日本の著名な美術評論家およびキュレーターです。彼は、アートの展示や評論において独自の視点を持ち、多岐にわたる活動を展開しています。彼の経歴は、様々な大学と美術関連の機関での経験を反映しています。

学歴と職歴

南條は、慶應義塾普通部および慶應義塾高等学校を卒業後、1972年に慶應義塾大学経済学部を卒業しました。その後、三井銀行に勤務しましたが、一年後に退職し、1976年には文学部哲学科に進学し、美学美術史学を専攻しました。

彼のキャリアは1978年に国際交流基金に勤務することから始まり、1986年にはICAナゴヤのディレクター、1990年から2002年にはナンジョウアンドアソシエイツ（現エヌ・アンド・エー株式会社）の代表を務めました。2002年には森美術館に副館長として加わり、2006年からは館長を務めました。2019年の12月には特別顧問に転任しています。

現代美術への貢献

南條の活動は、多くの国際的なビエンナーレやトリエンナーレにおいて要職を歴任することで広がりました。特に、第47回ヴェネツィア・ビエンナーレ日本館のコミッショナー（1997年）、台北ビエンナーレのコミッショナー（1998年）、横浜トリエンナーレのアーティスティック・ディレクター（2001年）、シンガポール・ビエンナーレのアーティスティック・ディレクター（2006年、2008年）など、影響力のある役割を担ってきました。

最近では、KENPOKU ART 2016茨城県北芸術祭やホノルル・ビエンナーレ2017においてキュレーションの役割を果たしました。

受賞歴

彼の貢献は広く認知されており、2016年にフランスの芸術文化勲章オフィシエ、2022年には文化庁長官表彰を受けています。これらの栄誉は、彼の業界における評価を示すものです。さらに、AICAの副会長やCIMAMの理事として活動し、他の多くの財団や基金での選考委員や審査員としても関与しています。

アートと教育

南條は、アーティスト・イン・レジデンスプロジェクトにもアドバイザーとして参加しており、地域のアートシーンの発展にも貢献しています。また、慶應義塾大学アート・センターにも携わり、アートの教育にも力を入れています。彼の指導の下、学生たちはさまざまな美術の視点を学び、実践する機会を得ています。

趣味とプライベート

南條は自他共に認めるカメラ愛好家で、特にキヤノンやニコン、リコー、ライカM9を使用しています。彼のカメラへの情熱は、アートに対するアプローチにも影響を与えています。

著作

彼は美術に関する著書も多数執筆しており、代表作には『美術から都市へ―インディペンデント・キュレーター15年の軌跡』、
『疾走するアジア―現代アートの今を見る』、および『アートを生きる』があります。これらの著作は、彼の豊富な経験を基にした知見や視点を提供しています。

南條史生の活動は、現代アートの発展に寄与するだけでなく、次世代のアーティストや文化人の育成にも貢献しており、その影響力は今後も広がっていくことでしょう。

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