南極における2019年コロナウイルス感染症の流行状況

南極における新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行状況

南極大陸は、その地理的な隔離性から、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の世界的なパンデミックの影響が最も遅れて到達した地域の一つです。世界で最初の症例が中国で確認されてから約1年後の2020年12月に、南極で初めての感染者が確認されました。しかし、それ以前から、南極での人間の活動には間接的な影響が出ていました。

背景

[2020年]]1月12日、世界保健機関]は、中国の武漢で[[2019年12月31日に報告された原因不明の急性疾患の原因が新型コロナウイルスであると発表しました。このウイルスは、2003年のSARSよりも致死率は低いものの、感染力が非常に強く、世界中で多数の死者を出すパンデミックを引き起こしました。

科学観測への影響

南極観測基地への訪問者は、厳格な隔離措置と検査を受ける必要がありました。オーストリアとドイツの基地ではマスクが支給されていましたが、イギリスやアメリカの基地での状況は不明です。英国南極観測局は、感染予防のための措置を講じ、旅行による感染を防ぐために職員を南極から避難させました。

2020年4月14日時点で、各基地には必要最低限の要員しか残っておらず、訪問は厳しく制限され、科学観測活動にも大きな影響が出ました。同年半ばに予定されていた複数の国際会議も中止となりました。

症例

2020年4月、南極に向かっていたクルーズ船の乗客の約6割が新型コロナウイルスに感染していることが判明し、船はウルグアイで足止めとなり、下船が許可されませんでした。

2020年12月21日、南極で初めて公式な感染者が発表されました。チリのオヒギンズ基地で、少なくとも36人(民間人10人とチリ陸海軍兵26人)が定期作業中に感染したことが確認されました。感染を広げたのはフランス船フードル号で、ほとんどの感染者は、目的地のプンタアレナスとタルカワノに到着した後で治療を受けました。

関連情報

SARSコロナウイルス2（SARS-CoV-2）: この感染症の原因ウイルスについての解説。
新型コロナウイルス感染症（COVID-19）: 感染症そのものについての解説。
新型コロナウイルス感染症の世界的流行: 世界的な感染症の流行状況に関する概説。

外部リンク

スコット基地でのCOVID-19の状況報告（英語）

このパンデミックは、南極における科学観測活動に大きな影響を与え、世界的に隔離された地域においても感染症対策の重要性を示しました。

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