南西スオミ県

南西スオミ県（Varsinais-Suomi）は、フィンランド南西部に位置する行政区で、スウェーデン語ではEgentliga Finlandと呼ばれます。英語ではFinland Properとも表記され、その歴史的な重要性から「正統フィンランド県」とも称されます。

この地域は、北にサタクンタ県、北東にカンタ＝ハメ県、東にウーシマー県と隣接し、バルト海を挟んでオーランド諸島を望むことができます。面積は約1万平方キロメートル、人口は約48万人で、県庁所在地は歴史的な都市トゥルクです。トゥルクは13世紀から1812年までフィンランドの首都として栄え、その歴史的建造物や文化は今もなおこの地域に色濃く残っています。

南西スオミ県は、スウェーデン統治下の13世紀にトゥルクとその周辺地域を中心に形成されました。地理的にスウェーデンやヨーロッパ大陸に近いため、早い段階からスウェーデンやヨーロッパの文化圏に組み込まれ、それが現在もこの地域の特徴となっています。

歴史

南西スオミ県の英語名である「Finland Proper」は、その歴史的な背景を反映しています。かつてフィンランド南部には、フィン人、タヴァスティア人、カレリア人の3つの民族が居住していました。このうち、南西スオミ県はフィン人の主要な居住地域であり、単純に「フィンランド（Suomi）」と呼ばれていました。17世紀になると、「フィンランド」という言葉がフィンランド全土を指すようになったため、この地域を特定する新たな名前が必要となりました。

1650年には、ラテン語で「Fennigia specialiter dicta」および「Fennigia presse dicta」という表現が初めて使われました。18世紀後半には、スウェーデン語で「Finland för sig sieft」や「Egenteliga Finland」といった表現が用いられ、同世紀末には「Egentliga Finland」が公式に使用されるようになりました。フィンランド語で「Varsinais-Suomi」という名称が使われ始めたのは1850年代頃のことです。

県章

南西スオミ県の県章は、州時代から受け継がれてきた伝統的なデザインを採用しています。その特徴として、スウェーデン・バルト帝国の国旗が描かれている点が挙げられます。これは、この地域が歴史的にスウェーデンと深い関わりがあったことを物語っています。

地区

南西スオミ県は、5つの郡と28の自治体で構成されています。このうち、11の自治体は都市（town）として指定されています。これらの自治体は、それぞれ独自の文化や歴史を持ち、県全体の多様性を支えています。

政治

2011年のフィンランド総選挙における南西スオミ県の政党別得票率は以下の通りです。

国民連合党：23.0%
フィンランド社会民主党：19.6%
真のフィンランド人：18.1%
フィンランド中央党：11.6%
左翼同盟：9.6%
緑の同盟：7.3%
スウェーデン人民党：5.5%
キリスト教民主党：2.9%

これらの結果は、南西スオミ県における多様な政治的意見を反映しており、今後の政治動向を占う上で重要な指標となっています。

脚注

詳細な情報については、以下の外部リンクをご参照ください。

外部リンク

* Regional Council of Southwest Finland — 公式ウェブサイト

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