博士（薬学）

博士（薬学）とは

博士（薬学）は、日本において薬学に関する高度な専門知識と研究能力を持つ者に授与される学位です。具体的には、医薬化学、天然物化学、生薬学、薬理学、病理学、薬物動態学、生理学、生化学など、幅広い薬学分野の研究を通して取得を目指します。学士（薬学）や修士（薬学）の上位に位置づけられ、より専門的な研究者、教育者としての道を開くための重要な資格となります。

沿革

1991年6月30日以前は「薬学博士」の学位が存在し、現在の博士（薬学）とほぼ同義でした。明治時代の学位令では、薬学に特化した博士号はなく、理学博士が授与されていました。しかし、薬学研究者からの反発があり、理学博士号の受領を拒否する動きがありました。

1898年の学位令改正で薬学博士が追加され、1899年3月27日には長井長義に初の薬学博士号が授与されました。当時の学位記は徳島大学に保存されています。

他国の学位との比較

英語圏では、学位制度の違いがあるものの、Doctor of Philosophy（Ph.D.）の一部とDoctor of Pharmacy（Pharm.D.）が薬学博士に相当します。アメリカ合衆国では、Doctor of Pharmacy（Pharm.D.）は薬剤師としての臨床実務の前提となる専門職学位であり、薬剤師免許試験の受験資格となります。

博士（薬学）取得後の進路

博士（薬学）の学位取得者は、大学や研究機関での研究者、教育者としての道が開かれます。また、製薬企業の研究開発部門や、行政機関など、高度な専門知識を活かせる分野での活躍が期待されます。医療の高度化、複雑化が進む現代において、博士（薬学）取得者の活躍の場はますます広がっています。

関連項目

学位
博士
Doctor of Philosophy
薬学
博士（薬学）取得者
薬学博士取得者

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