卯月盛夫

卯月 盛夫について

卯月盛夫（うづき もりお）は1953年5月6日に東京都で生まれた日本の建築家、都市デザイナーおよび建築学者です。彼は、都市計画、まちづくり、パブリックデザイン、プロジェクトマネジメント、景観設計などの分野で多くの経験を積んできました。早稲田大学から博士（工学）の学位を取得し、現在は同大学の社会科学総合学術院の教授として教鞭を取っています。

生い立ちと学歴

卯月は世田谷区に転居し、地元の小学校と中学校で教育を受けました。その後、早稲田大学の建築学科に進学し、大学院では理工学研究科に在籍しました。修士課程を修了した後、ドイツへ渡り、シュトゥットガルト大学で博士課程に進みました。ここで学んだ都市計画の知識が、後のキャリアに大きく影響を与えました。

建築家としてのキャリア

彼のキャリアはハノーファー市役所の都市計画局で始まり、その後シュトゥットガルト市役所での業務を経て、日本へ帰国しました。帰国後は世田谷区役所に勤務し、都市デザイン室の主任研究員として都市計画に関わり、企画部で様々なデザイン業務に携わりました。在任中、都市デザインの理解があまり浸透していなかったため、他部署からのデザイン依頼を受けることが多かったと言います。

そののち、世田谷区都市整備公社に呼ばれ、世田谷まちづくりセンターの所長に就任しました。ここでは、地域の活性化に向け、公共空間の整備やまちづくりのリーダーシップを発揮しました。

学者としての貢献

卯月は早稲田大学芸術学校や社会科学部教授として教鞭を執り、学術院制度導入以降は社会科学総合学術院に所属しています。彼の研究は「新しい公共空間の創造」や「都市活性化」のためのデザインに注力しており、市民参加のアプローチを重視しています。また、エリアマネジメントやプロジェクトマネジメントの手法確立にも寄与し、幅広い分野で活躍しています。

研究と活動

卯月は自身の理念に基づき、『都市の美しさや優しさは、その都市に住む人たち以上にはならない』と説いています。この考え方をもとに、様々なプロジェクトに携わり、現場での実践を通じて理論を構築しています。彼は「路上整理学」の提唱を行い、屋外広告物の設置に関する手法の開発にも取り組んでいます。

社会貢献と役職

彼は都市計画学会の理事や国土交通省の各種委員会のメンバーとしても活躍しており、地域の運営に関わる多くの役職を歴任しています。具体的には、新宿区の外部評価委員会の会長や目黒区の自由が丘まち運営会議の議長を務めています。このように、卯月は学問と実務の両面で地域の発展に寄与しています。

主な著作

卯月は著作も多く、彼の理論や実践をまとめたものがいくつか出版されています。代表作には『パブリックアメニティ―200例に見る実践的都市デザイン』や『自立と協働によるまちづくり読本』などがあります。

まとめ

卯月盛夫は、日本の建築家および都市デザイナーとして多岐にわたる業績を残しており、今後も地域づくりや都市デザインの分野での活動が期待されます。彼の取り組みは、住民が主体となるまちづくりを促進し、未来の都市のあり方に大きく寄与しています。

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