危険有害業務

危険有害業務の概要

危険有害業務とは、労働基準法に基づき定義された危険性を有する業務や、衛生や福祉に対して有害な環境で行われる作業を指します。これらの業務は、特定の労働者、特に年少者や妊産婦に対して制限が設けられています。以下で、重要な規定を詳しく見ていきましょう。

年少者に対する規制

労働基準法の第62条により、18歳未満の年少者を危険有害業務に就かせることは禁止されています。具体的に「危険有害業務」とされる職種は、年少者労働基準規則の第8条にて44業種が指定されています。例外として、職業能力開発促進法に基づく認定を受けた職業訓練を受ける労働者には、訓練に必要な限度で就業が許可される場合があります。これは、所轄の都道府県労働局長の許可を得た上で、訓練生を危険有害業務に従事させるためのものであり、その際には必要な安全対策が求められます。

安全措置の基準

訓練生に対しては、次のような一般的および個別的な安全措置が求められます。

• - 一般的措置: 職業訓練指導員は訓練生に作業に伴う危害防止のための必要な指示を行う義務があります。また、訓練生に対して、安全な作業方法や衛生的な作業法に関する教育を行い、作業環境の改善に配慮し、健康状態の管理にも努める必要があります。
• - 個別的措置: 年少者労働基準規則では、特定の業務における就業可能な時間や業務内容について具体的なガイドラインが設けられています。さらに、労働基準法施行規則によって定められた業務に該当しない場合は、たとえ技能養成工としての地位があっても、その業務に就くことは認められません。

妊産婦に対する規制

妊産婦に関する規定は第64条の3で定められており、妊娠中の女性や産後1年以内の女性を危険有害業務に就かせてはならないと規定されています。女性労働基準規則では、妊婦には24業種、産婦には22業種がそれぞれ指定されています。このように、妊産婦には年少者とは異なり、技能習得を目的とした特例規定が存在しないため、職業訓練を理由にしても危険な業務に就かせることはできません。

船員に関する特例

船員については労働基準法の年少者や妊産婦に関する規定は適用されないものの、船員法による独自の規制があります。船員労働安全衛生規則第28条および第74条で、それぞれ危険な船内作業や、母性保護上有害な作業について、具体的に定められた業務があります。このように船員に特有の規定が設けられています。

結論

危険有害業務に対する規制は、労働者の安全と健康を守るために非常に重要です。特に年少者や妊産婦については、法令によって明確に制限が設けられており、雇用者はこれらの規定を遵守しなければなりません。今後もこれらの法律が、労働環境の改善に貢献することが期待されます。

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