原子力発電所反対デモ

原子力発電所反対デモ

原子力発電所反対デモは、新たな原子力発電所の設置や既存の発電所の運営、再稼働に反対する市民活動の一環として行われるデモです。日本国内においては、1970年代からその歴史が始まり、原発事故の際には特に活発化する傾向があります。1986年4月のチェルノブイリ事故後、全国でさまざまな反原発運動が展開されました。

東日本大震災と反原発デモの拡大

2011年3月11日に発生した東日本大震災により福島第一原発で事故が起きた後、原発に対する懸念が高まり、全国各地で「廃止」を求めるデモが行われるようになりました。この頃から、原発再稼働への反発が一層強まり、様々な形態のデモが活発に展開されていきました。

特に、同年3月18日に東京電力本社前での小規模なデモが始まり、翌週の3月20日には渋谷で約1000人、さらに27日には銀座でも同程度の規模のデモに発展しました。その後も、名古屋や東京など各地で大規模なデモが連続的に行われるようになり、6月には「6・11脱原発100万人アクション」という大規模なデモが展開され、約7万人の人々が参加しました。

反原発運動の多様性

反原発デモの中には、左派やリベラルな団体だけでなく、保守的な視点から反原発の立場を取る右派グループも参加することが見られました。これにより、多様なバックグラウンドを持つ市民が原発問題に取り組む姿勢が形成されました。

経産省前テントひろば

2011年9月には、経済産業省前にテントを設置し、原発の廃止を求める活動が始まりました。このテントは、24時間体制での抗議の場となり、経済産業省からの立ち退き命令や裁判が行われましたが、その活動は続き、脱原発運動の象徴的な存在となりました。

大規模なデモの例

2012年には、東京都の代々木公園で「さようなら原発10万人集会」が開催され、約7万5千人が参加しました。また、野田政権に対する「紫陽花革命」もこの頃に始まり、毎週金曜に首相官邸前で原発再稼働への抗議が行われました。

論争と批判

反原発デモに対する批判も存在します。自由民主党幹事長の石原伸晃は「無政府主義的で代替エネルギーを考慮していない」と発言し、反対派の動向を厳しく批判しました。また、福島差別を助長する側面があるとする意見も取り沙汰されています。

その一方で、民主主義の根幹を成す市民運動としての反原発運動の意義を見出す意見もあります。デモ参加者の中には「デモを行うことが当たり前になる社会を目指す」という未来像を描く人も多く、活動が社会に与える影響は計り知れません。

海外における動き

日本からだけでなく、台湾やドイツ、フランスなど国外でも反原発の動きがあり、それぞれの国でのデモも注目されています。例えば、ドイツでは2011年3月26日から29日に各地で反原発デモが行われ、約25万人が参加したとの報道があります。

まとめ

原子力発電所反対デモは、時代背景とともに多様性を持つ市民活動であり、その影響は日本国内外に広がっています。原発に対する意識の変化や、新たなエネルギー政策の形成に寄与する可能性を秘めた活動でもあります。

もう一度検索