原捨思

原 捨思（はら すてし）の生涯

原捨思は1891年6月16日、鹿児島県川辺郡西南方村大字泊（現在の南さつま市坊津町泊）に生まれました。彼の人生は、15歳の頃から始まる漁業への従事によって大きく変わっていきます。この業に携わる姿勢は、彼の後の人生においても重要な役割を果たしました。

彼は1927年に兄の耕と共に南方漁場の開発に取り組み、その後南洋の諸島でも活動を行いました。この漁業に対する情熱により、原は鹿児島青年師範学校の講師、鹿児島県の企画室参与や潜水士協会の理事長など、数々の地位を歴任します。地域社会における彼の貢献は計り知れず、特に水産業の振興において重要な役割を果たしました。

彼はまた、鰹鮪漁業協同組合や漁業協同組合連合会といった組織の長としても活躍し、地域の漁業の発展に寄与しました。これらの活動は彼のリーダーシップとビジネスセンスを際立たせるものでした。さらに、海難防止に関する活動や漁村文化協会の顧問としても知られています。これにより、彼は地域社会を支える重要な存在となりました。

政治家としての活動

原捨思は政治にも足を踏み入れ、1946年の第22回衆議院議員総選挙では日本進歩党公認で立候補し、鹿児島県全県区から初当選を果たしました。しかし、その後の選挙では、鹿児島県第1区から立候補するも、次点で落選し、3回の選挙では全て結果を残せませんでした。

1955年には、日本民主党公認で第27回総選挙に挑戦し、再び衆議院議員となりました。彼はこの2期の任期中に、同党の情宣局次長や政調会労働副部長、そして自由民主党政調会水産副部長としての役割を果たしました。彼の政治に対する姿勢は、多くの漁業家や水産業従事者に影響を与えるものでした。

その後も積極的に選挙に挑戦しましたが、第28回総選挙では再び落選し、彼の政治家としてのキャリアはここで一区切りとなります。原捨思の生涯は、地域社会や漁業に対する情熱、そして政治的な活動を通じて、多くの人々に影響を与えました。彼の功績は、今日の地方政治や漁業の在り方においても影響を与え続けています。

参考文献

• - 衆議院事務局編『衆議院議員総選挙一覧 第22回』衆議院事務局、1950年。
• - 衆議院・参議院編『議会制度百年史 - 衆議院議員名鑑』大蔵省印刷局、1990年。
• - 下竹原弘志編『郷土と日本を築いた 熱き薩摩の群像700名』指宿白水館、1990年。
• - 『国政選挙総覧：1947-2016』日外アソシエーツ、2017年。

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