原田処理場

原田処理場：高度な技術と自然との共生

原田処理場は、大阪府豊中市に所在する大規模な下水処理場です。その広大な敷地は豊中市のみならず、兵庫県伊丹市、尼崎市にも及んでいます。大阪府と兵庫県の6市2町、約81万人分の生活排水処理を担う、猪名川流域下水道の主要施設として、地域社会の環境保全に重要な役割を果たしています。愛称は「原田水みらいセンター」です。

半世紀にわたる歴史と進化

原田処理場の歴史は1965年にさかのぼります。周辺5市による覚書締結を皮切りに、翌年には最初の処理施設が部分的に供用開始されました。その後、1968年には大阪府と兵庫県が事業主体となり、さらに宝塚市、猪名川町、豊能町（当時東能勢村）も事業に参加、規模を拡大しました。段階的な施設整備を経て、1975年には第2系列、1982年以降は第3系列が順次供用開始されました。高度処理技術の導入も積極的に行われ、1998年から第3系列で高度処理を開始、2009年には急速ろ過池を増設するなど、常に最新技術を取り入れ、処理能力の向上に努めてきました。

多様な処理技術と処理能力

原田処理場では、複数の処理方式が採用されています。第1系列と第2系列は標準活性汚泥法、第3系列では嫌気-無酸素-好気法や凝集剤併用ステップ流入式多段硝化脱窒法など、高度な処理技術が用いられています。これらの技術により、1日あたり最大546,300m3の下水を処理する能力を有しており、現在も390,500m3を処理しています。高度処理水は223,600m3にのぼり、処理された水は猪名川に放流されています。その一部は、処理場内に整備された親水空間や、豊中市の親水水路「新豊島川」にも供給され、地域住民の憩いの場にも貢献しています。

親水空間と環境教育施設

原田処理場では、下水処理と自然環境の調和にも配慮が払われています。「せせらぎ広場」は、蛍の舞う自然豊かな親水空間として整備され、昭和63年度手づくり郷土賞を受賞しました。また、下水処理に関する理解を深めるための展示施設「水のワンダーランド」(1996年開設)や、屋上を利用した多目的広場「スカイランドHARADA」(2003年開設)も設置され、環境教育や地域住民との交流拠点としての役割も担っています。

地域社会への貢献

原田処理場は、単なる下水処理施設にとどまらず、高度な処理技術、親水空間の整備、環境教育などを通して、地域社会に多大な貢献をしています。今後も、環境保全と地域社会のニーズに応えるべく、更なる発展が期待されます。長年にわたる技術革新と環境への配慮は、持続可能な社会の実現に大きく寄与するでしょう。今後も、高度な技術と自然との共生を両立させ、地域社会に貢献していくことが期待されます。

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