原田拓実

原田 拓実（はらだ たくみ）は、1991年6月2日に大阪府岸和田市で生まれた、日本の元社会人野球選手である。身長185cm、体重82kgの体格を持ち、右投げ左打ちの内野手として、主に三塁手や二塁手、一塁手として活躍した。

少年野球から高校時代

野球との出会いは小学2年生の時。地元・岸和田のイーグレッツでキャリアをスタートさせた。同年代には、後にプロ野球楽天イーグルスでプレーする石橋良太氏がおり、互いに競い合いながら実力を高めたという。また、チームには3学年上に、後にMLBでも活躍する前田健太氏が在籍していた。

中学からは忠岡ボーイズで硬式野球に本格的に取り組み、中学2年時には第1回タイガースカップに出場し、全国レベルの強豪と対戦することで貴重な経験を積んだ。

高校は奈良県の強豪校、天理高等学校に進学。1年秋から早くもベンチ入りを果たし、その実力を示した。2年生となった2008年には、第80回選抜高等学校野球大会に出場し、チームのベスト8進出に貢献した。さらに同年の秋には第39回明治神宮野球大会で準優勝という成績を残し、全国屈指のチームで中軸を担った。翌2009年も、第81回選抜、そして第91回全国高等学校野球選手権大会と春夏連続で甲子園の土を踏んだ。天理高校時代の同級生には、後にプロ野球東京ヤクルトスワローズでプレーし、現在はコーチを務める西浦直亨氏がいる。

大学時代

高校卒業後、東都大学野球リーグに所属する立正大学へ進学した。1年生の春季リーグから早速出場機会を得たものの、チームは2部に降格してしまう。しかし、その後7季にわたり2部リーグでプレーし、大学通算で92安打を放つなど、中心選手としてチームを支えた。

社会人野球 日本生命での活躍

大学卒業後の2014年、強豪として知られる日本生命に入社し、同社硬式野球部の門を叩いた。入部1年目からレギュラーの座を掴むと、その才能を開花させる。特にキャリアのハイライトとなったのは2015年。3番・サードとしてチームを牽引し、社会人野球の二大大会である都市対抗野球大会と社会人野球日本選手権大会で、史上初の夏秋連覇という偉業を達成した。この快挙を皮切りに、日本生命の中心選手として活躍を続け、都市対抗野球では準優勝1回（2018年）、ベスト4進出1回（2014年）を経験した。日本選手権大会では準優勝2回（2016年、2019年）、ベスト4進出2回（2014年、2023年）と、複数回の上位進出を果たした。また、個人としてもその攻守にわたる活躍が評価され、社会人野球ベストナインには、サードとセカンドの両ポジションで合わせて2度選出されている。

キャリア晩年においてもチームへの貢献は続き、2022年の社会人野球日本選手権大会では2番セカンドとしてスタメン出場を果たした。さらに、現役最終年となった2023年の都市対抗野球2次予選近畿大会では、5番ファーストとして出場し、4打数3安打1打点という存在感を示す活躍を見せた。

日本代表キャリア

国際舞台でも日本の代表として活躍した経験を持つ。現役10年間の間に計3度、社会人日本代表に選出された。2017年に台湾で開催された第28回BFAアジア選手権では、重要な場面でクリーンアップを任されるなど存在感を示し、チームの銅メダル獲得に貢献した。この他にも、ワールドベースボールチャレンジやアジアウインターリーグといった国際大会に出場した。アジア競技大会の代表にも選ばれたが、こちらは辞退している。

補強選手としての出場

所属チーム以外のチームの補強選手としても都市対抗野球に出場している。2018年、2021年、2022年と3度にわたり他チームの選手として都市対抗の舞台に立ち、特に2018年には、補強されたチームで準優勝という成績を収めている。

原田拓実氏の野球人生は、少年時代から社会人、そして国際舞台に至るまで、常に第一線で輝き続けた稀有なキャリアと言える。特に日本生命での夏秋連覇や複数回のベストナイン選出は、その実力と献身性を証明している。

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