原田直之

原田 直之（はらだ なおゆき）

福島県双葉郡浪江町に、1942年（昭和17年）10月14日、日本の民謡歌手、原田直之は誕生しました。故郷の福島県立双葉高等学校を卒業後、民謡の道を志します。

キャリアの始まりは、1960年にNHKの『のど自慢』民謡部門で福島県代表に選出されたことです。翌1961年には仙台で民謡家の我妻桃也に師事し、本格的な修行を積みました。そして1964年、「秋の山唄」でポリドールレコードより念願のデビューを果たします。

その後、1968年にはキングレコードに移籍し、活動の場を広げました。1978年にはNHK総合テレビの民謡番組『夜の指定席 民謡をあなたに』に出演するなど、メディアへの露出も増加。同年、第29回NHK紅白歌合戦にもゲストとして登場し、その歌声を披露しました。

1980年には日本コロムビアに移籍し、キャリアの新たな段階を迎えます。特に1989年に発表した「全国ご町内音頭」は50万枚を超えるセールスを記録する大ヒットとなり、彼の名を一層知らしめました。民謡歌手としての活動に加えて、ミュージカルにも挑戦するなど、表現の幅を広げる試みも行っています。

長年の功績は高く評価されており、1981年には松尾芸能賞の歌謡芸能部門で優秀賞を受賞。さらに、2008年には日本民謡協会より最高の栄誉とされる民謡名人位を授けられました。

彼の故郷である浪江町は、2011年の東日本大震災とその後の原発事故により甚大な被害を受けました。故郷の苦境に対し、原田直之は復興支援に深く関わります。2012年には、NHKによる東北応援ソング「花は咲く」プロジェクトに参加するなど、故郷の復興に向けた活動に尽力しています。これらの功績が認められ、2014年には旭日双光章を受章しました。

NHKの『みんなのうた』では、1981年12月から1982年1月にかけて「こきりこの歌」が放送されました。また、テレビではNHKの民謡番組の他、TBSの時代劇『水戸黄門』第12部にも出演するなど、多方面で活動しています。ラジオ番組『原田直之の民謡ふるさと夢紀行』でもパーソナリティを務め、民謡の魅力を伝え続けています。

原田直之は、日本の伝統音楽である民謡を継承し、その普及に貢献してきた第一人者であり、自身のルーツである故郷への深い愛情を示しながら、現在も活動を続けています。

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