原菊太郎

原 菊太郎（はら きくたろう）

1889年11月10日、徳島市に生まれた原菊太郎は、政治家として徳島県に多大な貢献を果たした人物です。彼は、地元の木材商を営みながら、地方政治にも足を踏み入れました。1942年に徳島市会議員に当選し、その後1948年には徳島市長に就任します。そして1955年から1965年まで徳島県知事を務め、三選を果たしました。知事在任中、原は「道路の鬼」と呼ばれるほど、道路整備に自身の情熱を注ぎました。

彼の業績の一つが、小鳴門橋の建設です。このプロジェクトは、徳島県民にとって本州四国ルート建設の夢を実現するための重要なステップとされました。当時の徳島県は、厳しい財政状況にあり、県議会からの反対もあった中で、原は関西電力や四国電力からの借入によって資金を確保しました。彼の木材商としての経験が、民間資金の導入を実現させたのです。

小鳴門橋は1961年に完成し、その真っ赤な橋桁と白い橋脚は、原自身の趣味である絵画からインスパイアを受けたデザインです。この橋の建設が後の大鳴門橋建設に繋がり、本州と四国を結ぶ重要なインフラとなりました。

また、原は「道路こそが経済の大動脈」という信念を持ち、徳島県の道路整備を推進しました。彼は、地域の交通網を改善することが経済発展に寄与すると信じ、数々の道路改良や新設に尽力しました。このため、彼は「道路の鬼」と称されるようになりました。

政治生活を終えた後も、原菊太郎の影響は続きました。1989年には、彼の相続人である原節子により、原菊太郎基金が設立されました。この基金は、経済的に恵まれない優秀な学生に対して奨学金を提供し、後進の育成と教育の振興に寄与しています。このように、原の思想や理念は、今なお徳島県及びその周辺地域に浸透し続けています。

1972年に亡くなるまで、原は徳島地域の発展のために尽力し続けました。享年83歳、彼はその功績により正四位に叙位され、地域社会に与えた影響は今でも語り継がれています。原菊太郎は、政治だけでなく、文化や教育の面でも地域に貢献した偉大な人物であったと言えるでしょう。

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