原覚天

原覚天（はら かくてん）は、1901年1月14日に新潟県で生まれ、1988年12月26日に亡くなった日本の経済学者です。彼はアジア経済研究の分野で重要な業績を残しました。

原は1924年に法隆寺勧学院仏教科を卒業後、経済学の道に進みました。1962年には「アジア経済の基礎構造と発展要因に関する研究」で名古屋大学から経済学博士号を授与されました。彼の研究は、アジア経済の構造や発展メカニズムを深く掘り下げたもので、その後の研究に大きな影響を与えました。

職歴としては、経済審議庁調査課、経済企画庁、アジア経済研究所を経て、関東学院大学の教授に就任しました。1971年に定年退職し、同大学の名誉教授となりました。これらの機関での経験が、彼の研究に実務的な視点を与えたと考えられます。

1967年には『現代アジア経済論』で日経・経済図書文化賞を受賞しました。この著書は、現代アジア経済の動向を分析したもので、当時の経済学界で高く評価されました。

原の主な著書には、以下のようなものがあります。

『アジア経済の構造と発展』（1963年）
『アジアの経済 統計とその現実』（1963年）
『現代アジア経済論』（1967年）
『世界経済の変革と発展』（1967年）
『韓国経済の奇蹟 高度経済成長と日韓経済協力』（1970年）
『アジア経済発展論』（1975年）
『現代アジア研究成立史論 満鉄調査部・東亜研究所・IPRの研究』（1984年）
『アジア研究と学者たち 覚天交遊録』（1985年）
* 『満鉄調査部とアジア』（1986年）

また、共編著として、大来佐武郎との共著である『アジア経済と日本』や『アジア経済図説』、その他にも経済援助に関する研究書などを多数出版しています。

原覚天の研究は、アジア経済の発展メカニズムを解明する上で、学術的に重要な貢献をしました。彼の業績は、今日の経済学研究においても参照されることが多く、その影響は今もなお続いています。

特に、満鉄調査部や東亜研究所といった、戦前のアジア研究機関の研究史に関する著書は、その後のアジア研究に重要な視点を提供しました。原は、単に経済学者としてだけでなく、アジア研究の歴史を振り返る上で欠かせない人物と言えるでしょう。

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