及川舜一

及川舜一は、1914年2月14日に岩手県東磐井郡大東町（現在の一関市）に生まれ、1999年3月11日に生涯を閉じました。彼は、一関市長として3期にわたり市政を担い、地域社会の発展に大きく貢献した人物です。

及川は1931年に岩手県立工業学校（現在の岩手県立盛岡工業高等学校）を卒業後、岩手県庁に入庁し、地方自治体職員としてのキャリアをスタートさせました。県庁では、一関、大船渡、水沢の各土木事務所長を歴任し、その後、一関市建設部長、助役といった要職を経験しました。これらの職務を通じて、土木行政に関する深い知識と経験を培い、地域の実情にも精通するようになりました。

1983年、及川舜一は一関市長選挙に出馬し、見事当選を果たしました。市長就任後は、岩手県市長会監事、一関地方衛生組合管理者、三陸地方地域産業開発促進協議会会長、一関地区土地開発公社理事長、北上川上流改修期成同盟会会長など、数多くの公職を兼務しました。これらの役職を通じて、県内はもとより、三陸地方全体の発展にも尽力しました。

特に、北上川の改修と一関遊水地事業は、及川が市長として力を注いだ重要な事業です。北上川は、古くから洪水を引き起こし、地域住民を苦しめてきた河川であり、その改修は長年の課題でした。及川は、北上川上流改修期成同盟会会長として、国や県との交渉を重ね、改修事業の推進に尽力しました。また、一関遊水地事業は、洪水被害の軽減を図るとともに、新たな水辺空間を創出するものであり、地域の防災と環境保全に貢献するものでした。

及川は1987年の市長選挙で再選、1991年の市長選挙でも三選を果たし、3期12年にわたり一関市政を担いました。1995年に市長を退任し、1999年に85歳で亡くなりました。

その長年の功績が認められ、1995年には勲四等瑞宝章を受章しました。この勲章は、地方自治の振興や公共の福祉の増進に貢献した人物に贈られるものであり、及川の功績を称えるものです。

及川舜一は、地方政治家として、地域社会の発展に尽力した人物として、その名が記憶されるでしょう。

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