双水執流

双水執流（そうすいしつりゅう）

双水執流は、日本の伝統的な武道である柔術と居合の一流派であり、その歴史は17世紀にまで遡ります。創始者は二神半之助正聴（ふたがみはんのすけまさあき）で、承応年間に流派が確立されたとされます。彼はまず竹内流の技術を学びましたが、その後、二神流を創設しました。特に、吉野の山中で修行を行い、三十七日間の参籠を経て大いに悟りを得たことが、流派名に大きく影響を与えています。この時期に彼は二神流を改名し、双水執流組討腰之廻という新しい名称を持つ流派へと昇華させました。

流派の歴史には他の流派との交流が色濃く見られ、竹内流に由来する技術が受け継がれましたが、ここでの「腰之廻」という言葉は、竹内流において短刀を用いた技法を示す一方、双水執流では居合を指しています。これにより、流派の技術の発展とともに、やがて江戸時代の東京にも双水執流が伝わることになりますが、詳細な記録は残っていないため、その経緯は謎に包まれています。

明治時代に入り、特に明治21年に松井百太郎宗忠（まついひゃくたろうむねただ）が東京に導入したことで、双水執流は広く人々に知られるようになりました。現在、福岡のみならず東京でもこの流派の技術が伝承されています。また、戦後にはこの流派が海外に広がる動きも見られ、国境を越えた武道の交流が進みました。

系譜

双水執流の系譜は非常に長い歴史を有しています。福岡の系統では、元々の流祖である二神半之助正聴から始まり、数世代にわたる名人たちがその技術を受け継いできました。以下はその系譜の一部です：

• - 二神半之助正聴（創始者）
• - 田代清次郎則忠（寛文六年に活躍）
• - 舌間新次郎宗督
• - 舌間喜兵衛宗一
• - 大野弥兵衛宗勝
• - 舌間作五郎宗廉
• - 榎本久右衛門忠直
• - 舌間七郎宗益
• - 臼杵九十郎宗直
• - 舌間眞次郎宗章
• - 舌間弥五郎宗綱（十一代・十三代）
• - 舌間愼吾宗継
• - 青柳喜平正聰
• - 舌間修三宗聴
• - 舌間萬三宗利（現在）

また、東京に伝わる系統には、松井百太郎宗忠以降、以下のような直系の武道家たちが名を連ねています：

• - 松井百太郎宗忠
• - 松井福次郎宗継
• - 佐藤昇一郎
• - 佐々木章次
• - 杉山正太郎
• - 北島胡空
• - 島村武司
• - 伊藤學
• - 木村昭夫（現在）
• - 臼木良彦宗隆（平成十年以降現在）

このように、双水執流は長い歴史と多様な系譜を持ち、今なお技術が受け継がれている武道であり、時代を超えて多くの人々に愛されています。

参考文献

流派の歴史をより深く理解するには、以下の文献が参考となります。

• - 舌間家譜（安永五年）
• - 組討腰之廻口伝書（天保四年）
• - 双水執流組討目録（安政二年）
• - 双水執流秘書（隻流館蔵）

これらの資料は、流派の技術や理論、歴史的背景を知る上で貴重な情報源となります。

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