反中性子

反中性子（Antineutron）

反中性子は、中性子の反粒子であり、いくつかのパラメータにおいて中性子とは反対の性質を持ちます。以下に、反中性子の詳細な解説を行います。

概要

反中性子は、中性子と質量は同じですが、電荷は中性子と同様にゼロです。しかし、バリオン数は中性子の+1に対して-1となります。この違いは、中性子がクォークから構成されているのに対し、反中性子は反クォークから構成されていることに起因します。具体的には、反中性子は1つの反アップクォークと2つの反ダウンクォークから構成されています。

観測

反中性子は電気的に中性であるため、直接観測することは困難です。そのため、反中性子の存在は、対消滅によって生じる生成物を観測することで間接的に確認されます。

理論的には、束縛されていない反中性子は、中性子のベータ崩壊に対応する過程で、反陽子、陽電子、ニュートリノに崩壊すると予測されています。また、バリオン数保存則が破れるような未知の物理過程が存在する場合、中性子と反中性子が相互に変換する中性子-反中性子振動が起こる可能性も指摘されています。

発見

反中性子は、反陽子が発見された翌年の1956年に、ローレンス・バークレー国立研究所のベバトロンを用いた陽子-陽子衝突実験において、ブルース・コークによって発見されました。

磁気モーメント

反中性子の磁気モーメントは、中性子の磁気モーメントとは符号が反対です。中性子の磁気モーメントが-1.91 μNであるのに対し、反中性子の磁気モーメントは1.91 μNとなります。ここで、μNは核磁子を表します。

中性子との違い

関連項目

物理学における粒子の一覧
反物質
核磁気モーメント

外部リンク

LBL Particle Data Group: summary tables
suppression of neutron-antineutron oscillation
Elementary particles: includes information about antineutron discovery (archived link)
* "Is Antineutron the Same as Neutron?" explains how the antineutron differs from the regular neutron despite having the same, that is zero, charge

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