反社会的勢力

反社会的勢力について

反社会的勢力とは、暴力行為や詐欺的な手法を駆使して不当な経済的利益を追求する集団や個人の総称です。この用語は、暴力団やその関連組織、特殊知能暴力集団、さらには社会的に許容されない行為を行う団体なども含みます。一般的には「反社」と略されることもあります。

企業と反社会的勢力

企業においては、企業の社会的責任（CSR）という観点から、反社会的勢力と関係を持たないような取引を行うことが求められています。しかし、暴力団関連企業との関係を知らずに取引してしまう危険があり、反社会的勢力に含まれる、一般には認知されていない組織・団体との間でも同様の問題が発生します。そのため、企業は幅広くこれらの組織に対して対策を講じる必要があります。

日本政府の対策

2006年6月、当時の小泉内閣は暴力団を社会から排除するためのワーキングチームを設立しました。これを受け、2007年には「企業が反社会的勢力による被害を防止するための指針」が策定され、正式にこの用語が用いられるようになりました。この指針では、反社会的勢力を「暴力、威力、詐欺的手法を駆使して経済的利益を追求する集団又は個人」と定義し、企業がどのようにこれらの勢力を特定し、対応すべきかについて具体的な指導が記されています。

指針の実施により、企業は反社会的勢力との関係を遮断するための契約条項を設けたり、自身の取引先がそのような組織と関わっていないことを確認するための措置を講じたりといった動きが広がっています。2018年の調査によると、約42%の企業が指針に基づく対策を実施しています。

反社会的勢力排除条項

多くの企業は、契約や約款の中に「反社会的勢力排除条項」を設けることで、相手方が反社会的勢力である場合には契約を解除する権利を持つことを明記しています。このような条項があることで、契約相手が後に反社会的勢力であることが判明した場合、企業は法的に契約を終了できる可能性が高まります。

反社会的勢力に関する法律的な判例も増えてきており、例えば2014年には最高裁判所が反社会的勢力であることを隠し、口座開設の際に虚偽の申告をしたとされる事例について、詐欺罪が成立すると判断しました。これにより、契約における反社会的勢力排除の重要性が再認識される形となりました。

まとめ

反社会的勢力は、経済活動において重大なリスクをもたらす存在であり、企業や社会全体での対策が重要です。日本政府も様々な取り組みを通じてこれらの組織を排除するための基盤を整えており、企業は各々の実態を踏まえた適切な対応を求められています。これにより、より安全で健全な社会の実現が期待されています。

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