古今亭志ん丸 (3代目)

三代目 古今亭 志ん丸（ここんてい しんまる）は、1972年2月7日に生まれた、日本の落語家である。埼玉県深谷市深谷町の出身で、本名を永井隆之という。落語協会に所属し、寄席の高座に上がっている。彼の高座を彩る出囃子（でばやし）は「四季の山姥（しきのやまうば）」であり、用いる紋は「鬼づた（おにづた）」である。

落語の世界へ足を踏み入れるきっかけの一つは、城西大学の落語研究会での活動であった。大学で落語に親しみ、プロの道を決意したと考えられる。1994年4月、六代目 古今亭 志ん橋に入門。前座としては「きょう助（きょうすけ）」という名を名乗り、師匠の身の回りの世話や落語の基礎を学んだ。この前座時代は、文字通り落語家としての土台を築く重要な期間であった。

その後、修行を重ね、1999年11月に二ツ目に昇進。これに伴い、名を「古今亭 志ん太（ここんてい しんた）」と改めた。二ツ目として活動していた期間には、その実力が評価される機会にも恵まれた。2005年には、有望な若手落語家に贈られる「にっかん飛切落語会奨励賞」を受賞。さらに翌年、2006年には同じく「にっかん飛切落語会努力賞」を受賞しており、二ツ目ながらにして将来を嘱望される存在であったことがうかがえる。これらの受賞は、彼がその当時の落語界で注目を集めていた証である。

二ツ目として約9年間の経験を積んだ後、2008年9月に真打への昇進を果たした。この昇進を機に、彼は改めて名を改め、「三代目 古今亭 志ん丸」を襲名した。真打昇進は落語家にとって一つの大きな区切りであり、一人前の噺家として認められたことを意味する。この時、同時に真打に昇進した落語家には、三代目 三遊亭 歌橘、四代目 三遊亭 歌奴、春風亭 百栄、古今亭 菊太楼らがおり、彼らと共に新たな門出を迎えた形となった。

落語家としての活動に加え、弟子を持つ立場ともなっている。現在、七代目 古今亭 志ん橋が彼の弟子として名を連ねているが、これは特別な経緯によるものである。元々、七代目 志ん橋は志ん丸師の師匠である六代目 古今亭 志ん橋の弟子であった。しかし、六代目志ん橋師が死去されたことに伴い、師匠を失った七代目志ん橋は、志ん丸師のもとへ預かり弟子という形で移籍した。これは、師弟の縁を引き継ぎ、一門の伝統を継承していくための重要な出来事と言えるだろう。

このように、三代目 古今亭 志ん丸師は、大学の落語研究会からプロの道に進み、厳格な修行を経て、二ツ目時代には受賞によって実力を示し、真打へと昇進、そして三代目志ん丸を襲名するという、着実な歩みを続けてきた落語家である。彼の高座は、古典落語を中心としながらも、自身の経験や個性を活かした演じ方で多くの聴衆を魅了している。落語協会に所属する中堅、ベテランの落語家として、日本の伝統芸能である落語の魅力を伝え続けている。

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