古山俊一

古山俊一氏は、1954年11月17日に生まれた日本の著名なシンセサイザー研究者であり、現在は尚美学園大学の名誉教授として知られています。彼のキャリアは、電子音楽、楽器開発、教育、そしてマルチメディア表現という幅広い分野に及びます。

経歴

古山氏は、千葉大学工学部を卒業後、株式会社京王技研（現在のコルグ）に入社し、電子楽器開発の最前線に身を置きました。この時期、同社の歴史的なシンセサイザーであるMS20からM1に至るまで、数多くの製品のサウンドデザインなどに深く関わりました。このコルグでの経験が、その後の彼の活動の礎となります。

コルグを離れた後、自らのスタジオ「スタジオエレホン」を設立し、独立した音楽・音響クリエーターとしての道を歩み始めます。

その後、教育分野にも進出し、尚美学園短期大学の助教授、そして尚美学園大学の教授を歴任。後進の指導にあたるとともに、シンセサイザー技術や電子音楽に関する学術的な研究も深めました。現在は同大学の名誉教授の地位にあります。

主な活動内容

古山氏の創造活動は多岐にわたります。コンピュータや電子楽器を駆使し、テレビCMや国際博覧会といった大規模イベントのための音楽制作を手がけました。また、音響と映像、その他のメディアを組み合わせたマルチメディア作品の制作・研究にも情熱を注ぎ、新しい表現の可能性を追求しました。

音楽制作や教育研究以外にも、活動は広がっています。例えば、ミュージカルドラマ「シューベルト」では映像効果を担当し、舞台芸術と技術の融合を図りました。また、ラジオ番組「ヤロウどもメロウどもOh!」への出演経験もあり、メディアを通じた情報発信も行っています。

著作

古山氏は、その豊富な知識と経験を広く共有するため、電子楽器やデジタル音響に関する多数の著書やビデオを発表しています。これらの著作は、多くの音楽家やクリエーターが電子音楽の世界に触れる際の重要なガイドブックとなりました。特に、専門的な内容を分かりやすく解説したスタイルは、広く支持されています。

単著

『シンセサイザーここがポイント』（音楽之友社、1982年）
『シンセサイザーの科学 テクノサウンドの世界をさぐる』（講談社ブルーバックス、1984年）
『コンピュータ・ミュージック入門』（音楽之友社、1984年）
『はじめてのシンセサイザー』（講談社現代新書、1988年）
『デスクトップ・ミュージック プロへのバイブル For Macintosh 入門編』（ソフトバンク出版事業部、1995年）
『デモテープ制作がわかる本 録音の基礎から最新テクニックまで』（ヤマハミュージックメディア、1997年）

共編著

『コンピュータ・ミュージック・エイジの音楽講座 第1巻 (コンピュータ・ミュージック操作術)』（平田潤共著、東亜音楽社、1993年）
『手軽にホームレコーディング』（編著、ヤマハミュージックメディア 基礎ガイドブック、2001年）

まとめ

古山俊一氏のキャリアは、日本のシンセサイザー技術の進化、電子音楽の普及、そして次世代のクリエーター育成に大きく貢献しています。楽器開発の現場から教育機関、そしてメディア作品に至るまで、彼の活動は日本の音楽・技術史において重要な位置を占めています。

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