古新町 (高松市)

古新町は、香川県高松市の中心部に位置する町丁であり、特に都市機能が集積する都心エリアに含まれます。郵便番号は760-0025が指定されていますが、住居表示に関する法律に基づく正式な住居表示は現在実施されていません。

高松市役所からは約0.4キロメートルという近距離にあり、市道末広町錦町線を挟んだ南北に広がる、東西に細長い町域が特徴です。町の中心を南北に縦断する主要幹線道路である中央通りは、この町を東西に分断する景観を作り出しています。中央通り沿いを中心としたこの地域は、四国地方における企業の活動拠点が多数集まる、域内でも有数の中心業務地区を形成しています。かつては公示地価の標準地が香川県内で最も高い価格を示した時期もありました（現在は隣接する町丁に移動）。

2015年の国勢調査によると、古新町の人口は314人で、内訳は男性152人、女性162人です。総世帯数は206世帯を数え、町域の面積は約2.68ヘクタール、人口密度は約11,731人/km²となっています。公立の義務教育学校については、町域全体が高松市立新番丁小学校および高松市立紫雲中学校の指定通学区域に含まれます。

都市計画法に基づく用途地域としては、町域の全域が商業地域に指定されています。容積率については、中央通り沿いの街区が600%と最も高く設定されており、その東側では500%、西側では400%と定められています。

町名の由来は、「新しく設置された町」という意味の「新町」に始まりますが、後に城下町内に「南新町」や「今新町」といった新たな「新町」が誕生したため、区別のために「古新町」と呼ばれるようになりました。江戸時代初期、寛永17年（1640年頃）に作成された高松城下の絵図にも、「新町」としてその存在が確認できます。教育の歴史としては、この地に国方和平が開いた寺子屋があり、明治8年（1875年）頃に私立小学校として認可され、啓廸小学校となったと推定されています。また、渡辺依中による私塾、渡辺塾も設けられていました。近代に入り、明治23年（1890年）2月15日には、かつての城下町を範囲とする高松が市制を施行し高松市となり、古新町はその一部となりました。明治35年（1902年）には、現在の四国新聞社の源流の一つである讃岐実業新聞社がこの地で設立されるなど、メディアの歴史とも関わりがあります。昭和初期には、現在の主要道路である中央通り（当時は記念道路と呼ばれていました）が町の中心部を南北に延伸し、町域を東西に分断する形態となりました。古新町の歴史において最も深刻な出来事は、昭和20年（1945年）7月4日未明に行われた高松空襲です。この無差別爆撃により、町内は焼失率100%という壊滅的な被害を受け、文字通り灰燼に帰しました。戦後の復興期には、被害が集中した高松市中心部において大規模な戦災復興土地区画整理事業が実施され、古新町もその対象区域となりました。この区画整理事業は昭和33年（1958年）7月10日の換地処分公告をもって完了し、翌日7月11日の地番整理により町域の境界が再編成されました。これにより、古新町の一部が兵庫町や築地町に編入される一方、外磨屋町、兵庫町、西新通町、一番丁のそれぞれの一部が古新町に組み込まれました。

現在の古新町には、中心業務地区として多くの企業や施設が集積しています。代表的なものとしては、三井住友海上高松ビル、東明ビル、香川県酒造組合、四国証券会館、リーガホテルゼスト高松、野村證券高松支店などが挙げられます。これらの施設は、高松市の経済や業務機能の中核を担う古新町の役割を形成しています。

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