古橋秀之

古橋秀之（ふるはしひでゆき）氏は、1971年生まれの日本の小説家で、SF作家としても知られています。神奈川県出身で、法政大学社会学部卒業後、漫画家を目指してカプコンに入社しました。同社ではグラフィック担当として『バイオハザード』シリーズ初期の開発に携わった経験を持ち、イラストレーターの前嶋重機氏とは同僚でした。

1995年、カプコン在籍中に執筆した『ブラックロッド』で第2回電撃ゲーム小説大賞の大賞を受賞し、小説家としてデビューしました。この作品は、彼の代表作の一つとなり、後述する「ケイオス・ヘキサ」三部作の幕開けを飾ります。

古橋氏の作品は、サイバーパンクSFや武侠小説といった既存のジャンルを、巧みにコンピュータゲーム的な要素と融合させた、独自のスタイルが特徴です。緻密な世界観と、技巧的なパスティーシュを交えた構成は、多くの読者から高い評価を受けています。同時代の作家、上遠野浩平氏、秋山瑞人氏、三雲岳斗氏らと共に、電撃文庫のライトノベルシーンを牽引し、後の作家に多大な影響を与えたことは特筆に値します。金原瑞人氏の創作文芸ゼミ出身であることも、彼の作家としてのキャリア形成に影響を与えたと推測できます。秋山瑞人氏はゼミの後輩にあたります。

小説作品としては、『ブラックロッド』シリーズの『ブラックロッド』、『ブラッドジャケット』、『ブライトライツ・ホーリーランド』で構成される「ケイオス・ヘキサ」三部作が最も有名です。他に、『タツモリ家の食卓』シリーズや、『超妹大戦シスマゲドン』シリーズ、『ある日、爆弾がおちてきて』といったSF短編集も人気を博しています。近年はこれらの作品をまとめた合本なども刊行されています。

2010年代以降は、小説執筆に加え、作家集団「GoRA」の一員として、オリジナルアニメーション企画『K』シリーズに参加しています。同シリーズでは脚本を担当しており、その才能は小説の枠を超えて広く発揮されています。『僕のヒーローアカデミア』のスピンオフコミック『ヴィジランテ -僕のヒーローアカデミア ILLEGALS-』の漫画原作も担当するなど、小説以外の活動も活発に行っています。

古橋秀之氏は、ゲーム開発、小説執筆、アニメ脚本など、複数の分野で活躍するマルチな才能を持つ稀有な作家です。彼の作品群は、独自の視点と高度な技術によって生み出された、多くの読者や視聴者を魅了する魅力的な世界観に満ち溢れています。その活動は今後も、多くの創作物を通して、私たちに新たな感動を与えてくれるでしょう。彼の今後の作品にも期待が高まります。

もう一度検索