古豊郡

古豊郡（コプンぐん）

古豊郡は朝鮮民主主義人民共和国慈江道の南西部に所在する郡であり、自然豊かな環境に恵まれています。この郡は、北側に楚山郡、東側に渭原郡と前川郡、南側に松源郡、西側に雩時郡が接しています。地形は主に山岳地帯で構成されており、特に西部は比較的標高が低く、非常に美しい風景を形成しています。

地理

古豊郡の地勢は、江南山脈と狄踰嶺山脈が貫通していることから、山がちで、全体の89.4%が森林を占めるカルスト地形です。主要な川には忠満江、古面川、月明川、豊面川が流れており、これらの川は農業や生活用水の供給源として重要な役割を果たしています。最高峰である古岩山も、この地域の象徴的な存在です。また、松源貯水池がこの郡内に位置していることも、大きな特徴の一つと言えるでしょう。

歴史

古豊郡の歴史は、日本の統治時代に遡ります。この時期、古豊郡は平安北道楚山郡に所属していましたが、1945年の解放後、慈江道が設立され、以後その管轄下に置かれました。1952年12月には郡面里の統廃合により、古面、豊面、江面を基に古豊郡が新たに設置され、現在に至っています。新設当初、古豊郡には古豊邑を含む11の里が配置され、後に龍海里が分立したり、周辺区域の取り込みがあったりと、行政上の変遷が続いています。

経済

古豊郡は、農業を中心とした経済活動が特に盛んな地域です。主にとうもろこし、豆、小麦、大根、キャベツ、唐辛子、きゅうりなどが栽培され、さらには果樹や養蚕、家畜の飼育も行われています。特に、忠満江の沿岸地域では少量の米作りもあり、地元住民の食生活を支えています。

また、この地域では鉄、金、銅、鉛、亜鉛、タングステン、黒鉛、石炭、石灰石などの鉱物が採掘されており、鉱業も重要な産業の一つです。一方で、製造業はあまり発展していないのが現状で、主に農業と鉱業が経済の基盤を成しています。

行政区域

古豊郡は1邑12里から構成されており、それぞれが独立した地域として機能しています。これらの行政区域には、古豊邑（コプンウプ）、坊城里（パンソンニ）、三坪里（サンピョンニ）、月明里（ウォルミョンニ）などが含まれています。各里は、地域コミュニティの維持や発展に寄与しており、住民たちに密接な関わりを持った生活空間を提供しています。

古豊郡は、豊かな自然環境とともに、深い歴史や活発な経済活動を持つ地域として、多くの人々に知られています。

もう一度検索