古都華

古都華（ことか）：奈良県のイチゴ品種

古都華は、日本の奈良県で開発されたイチゴの品種で、奈良の特産物として高い評価を受けています。2020年の時点で、奈良県における作付面積は16ヘクタールに達し、全体の30%を占めるなど、アスカルビーと並んで最も栽培されているイチゴの一つとして知られています。

品種の歴史

このイチゴは2011年に品種登録され、農作物の新種育成においては生産効率や収穫時期が重要視されます。特に、12月に収穫量が多くなる品種が好まれるのが一般的です。しかし、古都華は一部の生産者にとっては思わしくない評判を持つ「問題児」とされ、当初から懸念点が指摘されていました。

興味深いことに、古都華の前に育成されたアスカルビーは発表された当初は注目されましたが、奈良県がイチゴ産地としてはあまり知られていないことから評価が低く、市場では安値で取引されることもありました。その上、アスカルビーは病害に弱く、収量が少なく、日持ちがしないといった課題を抱えていました。

そうした中で、奈良県農業研究開発センターは、「7-3-1」と紅ほっぺを交配させた「奈良8号」の優れた味に注目し、古都華として2011年に市場に投入することを決定しました。ロードマップには、古都華の後継となる品種として、古都華ととちおとめを交配させた「ならあかり」（奈良11号）が2023年に品種登録出願されたことも記されています。

特徴

古都華の最大の特徴は、その高い糖度と酸度にあります。濃厚な味わいがあり、特に東京都内の高級果物店でも取り扱われることから、奈良県を代表するブランドイチゴと言えます。ですが、生産者側から見るといくつかの問題点も存在しています。

古都華は病気に対して弱く、収量が比較的少ないため、登録当初は生産者から敬遠されることが多かったと言われています。しかし、2011年頃から直接顧客に販売する取り組みを行ったところ、需要が増え始め、その結果生産数が徐々に増加していくという経緯があります。

また、古都華は消費者からの人気も獲得しており、その品質の良さが評価されています。特に、食べた瞬間に感じる甘さと酸味のバランスの良さは、多くの人々を惹きつけています。

関連項目

奈良県農業研究開発センターが今後も新しい品種を開発しており、周辺には他のイチゴ品種も存在します。例えば、奈良県で登録された珠姫（たまひめ、奈良9号）、奈之香（なのか、奈良10号）、さらにはならあかり（奈良11号）などがあります。これにより、奈良県はイチゴの主要な産地としての地位を確立し続けています。

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