台湾のバス交通

台湾のバス交通：多様な路線と利便性

台湾のバス交通は、都市部から長距離路線まで多様なネットワークを形成し、国民の生活や観光に欠かせない重要な役割を担っています。本稿では、台湾におけるバスの種類、運行状況、利用方法などを解説します。

市内バス

台湾の都市部では、「公車（市区公車）」と呼ばれる路線バスが主要な交通手段となっています。地方政府の交通局が管轄し、均一料金、区間料金、従量料金など、地域によって異なる運賃体系を採用しています。路線番号は基本的に3桁ですが、直轄市の一部では4桁の路線も存在します。

台北市では「聯営公車」、高雄市では「市公車」と呼ばれ、一般路線、小型路線、地下鉄連絡路線などに分類されています。 多くの路線で悠遊卡(Easycard)、一卡通(iPass)などのICカードが利用可能で、利便性が高くなっています。

中長距離バス

台湾全土を網羅する中長距離バスは、「公路客運」や「長途客運」と呼ばれ、交通部公路総局が管轄しています。運賃体系は従量制で、路線番号は原則4桁です。国光客運などの大手民間企業が多数運行しており、運行本数も多く、24時間運行している路線もあります。空路や鉄道より安価なため、台湾において重要な交通手段となっています。

長距離路線の一部は高速道路を利用する「国道客運」、いわゆる高速バスです。乗車券は営業所、バスターミナル、コンビニなどで購入でき、インターネット予約やICカード決済も可能です。東海岸など、交通の便が比較的悪い地域でも、高速道路の開通により、台北など主要都市へのアクセスが容易になりました。

観光バス

台湾では観光客向けに、定期観光バスや観光路線バスが運行されています。定期市内観光バスは台北、高雄、台南などで運行され、2階建てオープントップバスなどが利用されています。

「台湾好行」と呼ばれる観光路線バスは、交通部観光局の管轄で、鉄道駅などを発着し、鉄道と連携することで観光客の利便性を高めています。ICカードが利用できる路線も多くあります。運賃はやや高めに設定されています。

バスターミナル

台湾のバスターミナルは、「轉運站」、「客運站」などと呼ばれ、長距離バスや高速バスが発着します。台北の台北転運站、台中転運站など、主要都市には大規模なバスターミナルが整備されています。近年では、駅周辺の再開発に伴い、バスターミナルが整備・集約される傾向にあります。地方都市では、各バス会社が個別にターミナルを設置しているケースも多いです。

まとめ

台湾のバス交通は、都市部から長距離路線まで多様なネットワークを有し、ICカードの普及などにより利便性も向上しています。観光客にとっても、台湾各地への移動手段として非常に便利な交通手段です。ただし、路線や運賃体系は地域によって異なるため、事前に情報を収集することが重要です。 また、多くのアプリでリアルタイムのバス位置情報を確認できますので、積極的に活用しましょう。

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