台湾鉄路管理局DR1000型気動車 (初代)

DR1000型気動車（台湾鉄路管理局）について

DR1000型気動車は、かつて台湾鉄路管理局（台鉄）で運用されていた気動車です。本稿では、準同型であるDR1010型気動車についても併せて解説します。

概要

DR1000型気動車のルーツは、台湾総督府鉄道が1930年（昭和5年）に日本車輌製造から購入したキハ1形気動車に遡ります。当時、淡水線で運用されていた汽車会社製のジ1形蒸気動車の置き換え用として、4両が導入されました。このキハ1形は、非貫通の正面三枚窓が特徴で、客用扉は片開きで片側3箇所に設けられていました。発動機には、同時期の日本のガソリンカーと同様に、ウォーケシャー（Waukesha Engines）製の6SL型、75馬力エンジンが搭載されていました。

続いて、同じく日本車輌製造からキハ10形気動車が8両導入されました。キハ10形は、客用扉が片開きで片側2箇所に設けられ、クロスシートが採用されていました。

運用

キハ1形は主に北淡線や縦貫線の台北 - 桃園間で使用され、キハ10形は南部の台中 - 彰化間や高雄 - 台南間で活躍しました。

第二次世界大戦後、これらの車両はそれぞれGA1000型ガソリンカー、GA1010型ガソリンカーと改番されましたが、整備不良のためエンジンが取り外され、客車代用として使用されるようになりました。他のガソリンカーがエンジン換装と共に改番される中で、DR1000型ディーゼルカー（初代）およびDR1010型ディーゼルカーと再び改番されましたが、依然としてエンジンは搭載されない状態が続きました。その後、1960年代に両形式とも廃車となり、解体されました。

車両詳細

キハ1形気動車
製造: 日本車輌製造
購入年: 1930年（昭和5年）
両数: 4両
特徴: 非貫通の正面三枚窓、片開き片側3扉
発動機: ウォーケシャー（Waukesha Engines）6SL（75馬力）
主な運用区間: 北淡線、縦貫線（台北 - 桃園間）

キハ10形気動車
製造: 日本車輌製造
両数: 8両
特徴: 片開き片側2扉、クロスシート
主な運用区間: 台中 - 彰化間、高雄 - 台南間

その後

この初代のDR1000型気動車は、その後の台湾の鉄道車両の発展に重要な影響を与えました。後に登場するDR1000型気動車（2代）にもその歴史は受け継がれています。

関連項目

日車型ガソリンカー
台湾鉄路管理局DR1000型気動車 (2代))

外部リンク

* 台湾中央研究院「老臺灣素描」

この記述は、当時の台湾の鉄道における車両の変遷を捉える上で、重要な資料となるでしょう。

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