台湾鉄路管理局E200型電気機関車とは？意味をやさしく解説

台湾鉄路管理局E200型電気機関車とその系列

台湾鉄路管理局（TRA）のE200型電気機関車は、同局の電化路線における主力機関車として、長年にわたり活躍しています。本稿では、E200型を中心に、外観がよく似たE300型、E400型電気機関車についても解説します。これらの機関車は、台湾の鉄道電化を支え、旅客輸送と貨物輸送の両面で重要な役割を担っています。

導入の背景

1975年、台湾鉄路管理局は西部幹線を交流25000Vで電化しました。この電化に対応するため、E100型電気機関車に続いて、アメリカのGE（ゼネラル・エレクトリック）社製の電気機関車97両が導入されました。これがE200型、E300型、E400型のルーツとなります。これらの機関車は、サイリスタ位相制御により、主電動機の出力を2800kWまで連続的に制御することが可能です。

形式別詳細

E200型

E200型は、全部で40両が製造されました。この形式の特徴は、全車が出力350kWの電動交流発電機を搭載していることです。これにより、冷房付き客車に三相交流60Hz440Vの電源を供給することが可能です。1978年に35両が輸入された後、1992年にさらに5両が追加導入されました。E200型の重量は96tです。

特筆すべきは、2019年1月から約半年間、日本の南海電鉄とのコラボレーション企画として、E212号機とE213号機が「ラピートブルー」に塗装され、特別編成で運行されたことです。この企画は、訪日旅行者へのPR活動の一環として行われ、大きな話題を呼びました。

E300型

E300型は39両が製造され、E200型と同時に1978年に導入されました。E301号機とE302号機を除く全車に電動交流発電機は搭載されていません。そのため、過去には冷房付き客車の定期運用時には、電源荷物車を連結する必要がありました。現在では、客車自体の電源供給能力向上により、電源荷物車の連結は過去のものとなっています。

E400型

E400型は18両が製造され、1980年から1982年にかけて導入されました。E200型と同様に、電動交流発電機を備えています。製造当初の設計では、歯車比がE200型やE300型よりも小さく設定されており、最高速度は130km/hと速いものの、牽引力や登坂能力が低いという特徴がありました。

しかし、台湾鉄路管理局では、E200型の運用管理を簡略化するため、近年、E400型の歯車比をE200型やE300型と同じに改造しました。この改造により、現在のE400型の最高速度は110km/hとなっています。

運用と今後の展望

これらの機関車は、長年にわたり台湾鉄路管理局の電化路線を支えてきましたが、老朽化が進んでいることも事実です。しかし、現在でも多くの旅客列車や貨物列車を牽引しており、その存在感は依然として大きいです。今後の計画では、新型機関車の導入が進められていますが、E200型とその系列は、引き続き重要な役割を担うと予想されます。

これらの機関車は、台湾の鉄道史において重要な位置を占めており、その活躍は今後も注目されるでしょう。鉄道ファンにとっては、その歴史と運用状況を追いかける楽しみがあります。台湾を訪れる際には、ぜひこれらの機関車を目にしてみてください。

画像集

脚注

[1] 各形式の製造年と導入時の詳細な情報
[2] 電動交流発電機の具体的な仕様と客車への電源供給方法
[3] 歯車比の変更による最高速度と牽引力の変化に関する詳細データ
[4] ラピートブルー塗装のE212号機とE213号機の運用に関する記録

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