各務原大橋

各務原大橋について

各務原大橋は、岐阜県各務原市の上中屋町と川島小網町を結ぶ、木曽川に架かる重要な市道橋です。2013年3月24日に開通し、地域住民の生活に大きく貢献しています。

建設の背景

2004年、川島町が各務原市に編入されたことで、両地域は同じ市となりました。しかし、木曽川を隔てていたため、直接行き来できる橋がなく、笠松町を経由するルートしかありませんでした。このルートは交通渋滞が頻発しており、市民生活に不便をきたしていました。そのため、各務原市は新たな橋の建設を計画しました。

当初、岐阜県が事業を行う予定でしたが、完成までに約10年を要すると見込まれたため、各務原市が主体となり、早期完成を目指すことになりました。建設ルートの選定では、以下の3つの案が検討されました。

1. 木曽川北派川ルート（神置町 - 川島笠田町）
2. 木曽川ルート（下中屋町 - 川島松倉町、旧松倉渡船跡）
3. 木曽川ルート（上中屋町 - 川島小網町）

最終的に、3番目の案が採用され、各務原大橋が建設されました。

橋の概要

各務原大橋は、木曽川の最も狭い場所に架けられ、建設費用を抑える工夫がされています。橋の全長は594.0mで、片側1車線の道路と両側に歩道が設置されています。また、橋の完成と同時に、各務原市役所と川島小網町を結ぶ市道那加小網線も整備されました。

橋の形式は、10径間連続桁フィンバック橋で、美しい景観も楽しめます。橋の開通により、各務原市西部から名鉄犬山線の江南駅方面へのアクセスが向上しました。さらに、神明小網橋（思いやり橋）と接続することで、広域的な交通ネットワークが形成されました。

歴史的背景

明治時代中期まで、各務原大橋の建設地付近には、個人経営の渡し船「松本の渡し」がありました。これは、松本村（現在の各務原市松本町）から小網島を結ぶものでした。また、少し下流には「中屋の渡し」も存在していました。現在、中屋の渡しがあった場所には金比羅神社が祀られており、当時の波止場も残っています。

周辺施設

各務原大橋の開通に合わせ、市民交流の場として、「各務原大橋交流広場」（上中屋側）と「小網広場」（川島小網町側）が開設されました。これらの広場は、地域住民の憩いの場として利用されています。また、橋の前後のアプローチ部分には、跨道橋として各務原大橋左岸アプローチ橋（84.0m）と各務原大橋右岸アプローチ橋（120.0m）が設置されています。

まとめ

各務原大橋は、単なる交通インフラとしての役割だけでなく、地域住民の交流を促進し、生活を豊かにする重要な存在です。その建設の背景には、地域の課題解決と発展への強い想いが込められています。各務原大橋は、過去の渡し船の歴史を継承しつつ、新たな時代の橋として、これからも地域を支え続けます。

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