合併施行方式

合併施行方式とは

合併施行方式（がっぺいしこうほうしき）は、日本における道路整備の手法の一つであり、公共事業と有料道路事業の相乗効果を活用し、より効率的で迅速な道路整備を実現することを目的としています。この方法では、一般有料道路や都市高速道路の整備が進められ、国土交通省や都道府県、さらには政令指定都市が主導して実施されます。

概要

この方式においては、まず公共事業者が用地の買収および建設工事の一部を手掛け、その後に有料道路事業者が公共事業者から事業を引き継ぎます。有料道路事業者による残りの工事の完了と開通後の管理が行われます。具体的な事業の割合や内容は、各道路や区間ごとに公共事業者と有料道路事業者が協議し決定します。

通行料金によって回収されるのは、有料道路事業者が行った建設工事や開通後の維持管理にかかる費用です。このため、合併施行方式は有料道路事業の採算性を向上させ、結果的に早期の整備促進に寄与すると考えられています。しかし一般有料道路は、その採算性が難しい路線が数多く計画されており、公団経営や利用者の負担増加が懸念されています。これに対応するために、国費の投入が行われ、利用者の負担軽減が図られています。しかし、これは一部で税金による赤字の隠蔽として批判されることもあります。

合併施行の種類

合併施行方式で整備された道路のうち、公共事業費が総事業費において高い比率を占めるものは「薄皮有料」と呼ばれ、公共事業の部分に有料道路事業の部分を重ねた形です。一方、公共事業費がわずかに関与する場合は「旗ざお式」と呼ばれます。また、一般有料道路と接続する前後の道路については「羊かん式」とされ、これらの名称はそれぞれの施工方法の特性を反映しています。

著名な例としては、東海環状自動車道があります。この道路では大部分の工事が国土交通省によって実施され、一部の舗装が日本道路公団によるもので、薄皮有料の典型とされています。また、伊勢湾岸道路の名港西大橋は、斜張橋が公団によって建設され、その周辺の道路は建設省が担当する羊かん式の典型例です。

問題点

一般有料道路の建設は、その利用者負担や利便性を考慮して計画されるべきですが、地域や政治家からの圧力により収入が見込めない路線の建設が求められることがあり、これが有料道路事業者の財政に悪影響を及ぼすことがあります。この場合、国費が投入され、早期整備が期待されることもありますが、税金投入は本来は道路を無料開放することに基づいて実施されるべきもので、その使用が有料道路事業と絡むことは倫理的に問題があると指摘されています。こうした批判も踏まえ、今後の道路整備の整合性や透明性が求められています。

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