合馬たけのこ

合馬たけのこ

福岡県北九州市小倉南区の合馬（おうま）地区は、広大な竹林面積（約1,400ha）を誇り、そこで採れる「合馬たけのこ」は、知る人ぞ知る高級筍として珍重されています。JA北九の地域団体商標としても登録されており、その品質の高さが保証されています。

歴史

合馬地区での筍栽培は、近隣の八幡などへの出荷から始まり、徐々に生産力を高めていきました。昭和30年代には筍の缶詰工場が設置され、生産体制が強化されました。1977年（昭和52年）には、生産者の積極的な取り組みにより竹林改良事業が実施され、品質向上に大きく貢献しました。

1997年（平成9年）には、「合馬たけのこ」のブランド化を目指し、生産者たちが「合馬たけのこ振興会」を組織しました。この振興会は、品質管理や販路拡大に尽力し、2004年（平成16年）には全国林業経営推奨行事で農林水産大臣賞、さらに農林水産祭では内閣総理大臣賞を受賞するなど、その取り組みが広く認められています。

特徴

合馬たけのこは、食用として代表的な孟宗竹（もうそうちく）の筍です。合馬地区特有の粘土質の赤土が、筍の生育に最適な環境を作り出しています。この土壌で育つことにより、合馬たけのこはアクが非常に少なく、独特の風味とやわらかい食感が生まれます。新鮮なものは刺身（生）で食べられるほどで、その品質の高さが伺えます。

特に「白子」と呼ばれる筍は、最高級品として扱われ、贈答用としても人気があります。出荷時期は概ね1月～4月頃で、年間出荷量は約3,200tに達します。

合馬たけのこは、地元・北九州をはじめ、京都や大阪などの高級料亭で利用されています。特にシーズン初出荷のものは、そのほとんどが関西方面に出荷され、地元ではなかなか手に入らないほどの人気です。

その他

販売は生鮮のものが中心ですが、「水煮」や「じんだ煮（ぬかみそ炊き）」、「辛し竹の子（販売：拓味亭）」などの加工品も販売されています。

現地では、「合馬たけのこ体験園」や「合馬観光たけのこ園」などで、たけのこ掘り体験を楽しむことができます。また、筍を使ったコース料理（刺身、煮物、天ぷら、茶碗蒸し、焼筍、筍御飯など）を提供する飲食店もあり、様々な調理法で合馬たけのこを堪能できます。

関連情報

北九州市
JA北九の特産品

メディア

* 産地発!たべもの一直線（NHK総合テレビジョン、2010年4月11日放送）

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