吉川広紀

吉川広紀（きっかわ ひろのり）は、明暦4年（1658年）に生まれ、江戸時代前期の岩国領を治めた第4代領主です。

生涯

広紀は、第3代領主・吉川広嘉の長男として誕生しました。延宝7年（1679年）に父の死を受け、家督を相続しました。彼は、藩営による柳井の干拓事業を拡張し、横道倫有を家老に登用して五八町歩もの領地を開発しました。この時代は、初代領主・吉川広家からの安定期が頂点を迎え、岩国領は全盛期を迎えました。後世には「領政最良の時代」と評価されています。

しかし、一方で、本家である長州藩の毛利氏との関係は、家格問題などを背景に悪化し始めました。元禄9年（1696年）に39歳で亡くなり、跡を長男の広逵が継ぎました。

系譜

父：吉川広嘉（1621年 - 1679年）
母：天長院（1635年 - 1697年） - 鷲尾隆量の娘
正室：喜井（1671年 - 1717年） - 蓮徳院、石川義当の次女

長男：長熊（1687年 - 1688年）
長女：磯子（1690年 - 1690年）
次男：九十郎（1691年 - 1692年）
* 三男：吉川広逵（1695年 - 1715年）

広紀は、岩国領の発展に大きく貢献した領主として、その名を知られています。彼の時代は、領地経営が安定し、文化や産業も発展しました。しかし、長州藩との関係悪化という問題も抱えており、その後の岩国領の歴史に影響を与えることになりました。

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