吉村光夫

吉村光夫の生涯と業績

吉村光夫（1926年2月14日 - 2011年1月3日）は、日本の著名なアナウンサーであり、司会者、さらに鉄道に関するライターとしても知られていました。愛称は「ロングおじさん」や「ロンちゃん」。彼は兵庫県神戸市に生まれ、神奈川県横浜市や東京都千代田区で育ちました。

教育背景とキャリアの始まり

吉村は1937年に第一東京市立中学校（後の千代田区立九段中等教育学校）に入学し、1942年に卒業。続いて藤原工業大学の予科に進学し、戦後の1948年には慶應義塾大学の工学部を卒業しました。その後、日本放送協会（NHK）に入局し、鹿児島放送局での勤務を経て、1951年にはラジオ東京（のちのTBS）に入社しました。

ラジオ時代には、「ドレミファゲーム」や「ジャズの歴史」などの人気番組で活躍し、1959年には皇太子成婚の実況を担当。彼は1962年にはラジオ編成局に異動となりましたが、1965年にはアナウンス部へ復帰しました。

TBSでの多彩な活動

吉村は1970年代には「ロングおじさん」として広く知られるようになり、その名は多くの番組に登場しました。1981年に定年退職を迎えた後も、フリーとしてTBSの番組に出演しながら、鉄道に関する執筆活動を続けました。特に京浜急行に情熱を注ぎ、多数の著作を発表しました。

鉄道ファンとしての顔

吉村は熱心な鉄道ファンであり、中学時代には工芸部に所属し、鉄道模型作りに没頭しました。大学時代も鉄道研究会に所属し、卒業後には「鉄研三田会」の第3代会長を務めました。また、帝都鉄道友の会には積極的に関与し、理事を務めるなど、鉄道に関する知識を深めていきました。

TBS在職中には、実相寺昭雄や松宮一彦などの後輩とともに社内で鉄道ファンとして知られ、特に京急の愛好者として名を馳せました。彼の取材や執筆活動は多岐にわたり、特に『鉄道ジャーナル』や『鉄道ファン』誌への寄稿が有名です。

最後の日々と遺産

吉村光夫は2011年1月3日、京浜急行電鉄に乗車し川崎大師に初詣に行った際、心臓ペースメーカーのトラブルにより急性心不全でこの世を去りました。彼の遺骨の一部は彼が愛した鉄道沿線のアルプスに散骨されました。

主な出演番組・著作

彼のメディアでの活躍は多岐にわたり、ラジオやテレビ番組で多くのファンに親しまれてきました。著作には、「日本の私鉄 京浜急行」や「京浜急行今昔物語」などがあり、晩年にも京急に関する写真集が出版されました。

吉村光夫の業績と情熱は、鉄道ファンやメディア界において今も多くの人々に影響を与え続けています。

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