吉田徳次郎
吉田徳次郎は、
1888年(
明治21年)
10月15日に
兵庫県で生まれ、
1960年(
昭和35年)
9月1日に生涯を閉じた、
大正から
昭和期にかけての日本の土木工学者です。
学歴と職歴
1912年(
明治45年)に東京帝国大学工科大学土木工学科を卒業後、九州帝国大学工科大学の講師として教壇に立ちました。
1914年(
大正3年)には助教授、
1924年(
大正13年)には教授へと昇進し、
1938年(
昭和13年)まで
構造力学と鉄筋コンクリート工学を担当しました。その後、東京帝国大学教授に転任し、
1949年(
昭和24年)に定年退官するまで、コンクリート工学と鉄筋コンクリート工学の講義を担当しました。
コンクリート研究
吉田は、アメリカの
イリノイ大学に留学し、著名な土木工学者であるアーサー・ニューウェル・タルボットに師事しました。この留学中にコンクリートの実験的研究に打ち込み、その知識と技術を大きく向上させました。帰国後は、その研究成果を基に、日本のコンクリート技術の発展に尽力しました。
土木事業への貢献
帰国後、吉田は日本のコンクリート技術を牽引する存在となり、数多くの土木事業でコンクリート施工を指導しました。特に、
佐久間ダムの建設においては、その技術指導が大きな役割を果たしました。
学会活動
吉田は、
土木学会の第37代会長を務め、学会の発展にも貢献しました。また、同会のコンクリート委員会では委員長として、コンクリートに関する示方書の制定に尽力しました。さらに、その学術的な業績が認められ、
日本学士院の会員にも選ばれています。
死後
吉田の没後、その功績を記念して「
土木学会吉田賞」が設立され、土木工学の発展に貢献した研究者や技術者を顕彰しています。彼の墓所は東京都新宿区の月桂寺にあります。
栄典と親族
吉田は、その功績により藍綬褒章を受章しています。また、土木工学者である
広井勇を岳父に持ちます。
まとめ
吉田徳次郎は、日本の土木工学、特にコンクリート工学の発展に多大な貢献をした人物です。彼の研究と指導は、その後の日本のインフラ整備に大きな影響を与えました。