吉見宏

吉見 宏（よしみ ひろし） – 日本の会計学者

吉見宏は、1961年8月1日に長崎県長崎市で生まれ、2023年1月2日に61歳で他界した日本の著名な会計学者です。彼は公会計および監査論の分野で広く知られており、その卓越した知識と業績により、会計学界に多大な影響を与えました。

学歴とキャリアの歩み

吉見は長崎県立長崎東高校を卒業後、九州大学経済学部の経営学科で学びました。1987年には大学院で経営学専攻の修士課程を修了し、1990年には博士後期課程の単位を取得しました。彼はその後、日本学術振興会の特別研究員としての活動を経て、1991年から北海道大学で講師として教壇に立ち、経済学部の助教授、そして2000年には大学院経済学研究科の助教授に昇進しました。

2004年からは同研究科の教授として専門的な知見を学生に伝え、さらに北海道大学会計専門職大学院の教授も務めていました。2012年からは大学院経済学研究科の長として組織運営にも関与し、2016年からは副学長に就任しました。彼の学問的業績は、特に会計と監査の領域での研究に一貫して貢献しました。

受賞歴

吉見はそのキャリアの中で数々の業績を残しました。特に、2005年には日本監査研究学会から監査研究奨励賞を受賞し、業界内での評価を確立しました。

メディアへの貢献

学術界だけでなく、吉見はメディアでも活躍していました。Hana*テレビのコメンテーターとしての活動が知られ、晩年は夕刊おがわや今日ドキッ!のコメンテーターを務めるなど、幅広い視野を持つ人物でした。彼のインサイトは、視聴者にとって貴重な情報源となっていました。

鉄道への情熱

また、彼は鉄道に対する深い関心も持っており、札幌LRTの会の会長やJR北海道の監査役としても積極的に活動しました。このように、吉見は専門分野だけでなく、地域社会への貢献にも力を注ぐ多才な学者でした。

主要著書

吉見の著作活動も非常に豊富で、多くの著書を残しています。代表的な著作には、1999年に発表された『企業不正と監査』や、2003年に佐藤のりゆきとの共著で出版された『のりゆきの近未来経済』があります。また、2004年には藤田昌也と奥薗幸彦との共著による『会計利潤の計算方法（3訂版）』も出版されています。その他にも、2005年の『監査期待ギャップ論』や2008年の『ケースブック監査論（第4版）』など、会計や監査の重要なテーマについて幅広く執筆しました。

最期とその後

残念ながら、吉見は病気により療養中でしたが、2023年にこの世を去りました。彼が亡くなった日付に正四位に叙され、瑞宝中綬章が追贈されるなど、その業績や貢献は評価されています。吉見宏は、その専門的な知識と広範な活動を通じて、日本の会計学界に大きな遺産を残した学者でした。

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