吉野ロープウェイ

吉野ロープウェイの紹介

吉野ロープウェイ（よしのロープウェイ）は、日本の奈良県に位置し、吉野大峯ケーブル自動車によって運営されています。このロープウェイは、現存する日本最古の索道路線として知られています。正式には吉野山旅客索道と呼ばれ、また吉野山ロープウェイとしても親しまれています。開通当初からの歴史を持ち、地域住民の交通手段としてだけでなく、多くの観光客にも利用されています。

歴史的背景

このロープウェイが初めて開通したのは1929年（昭和4年）で、吉野鉄道の開業に続いて、地元の有志と内田政男によって千本口と吉野山を結ぶ路線が開設されました。国の技術力の象徴とも言える存在であり、現在も1928年（昭和3年）に建設された支柱が使用されています。この方式はRA型ロックドレールロープ式と呼ばれ、懐かしい技術がそのまま現役で稼働しています。

第二次世界大戦中、多くの索道が廃止される中、吉野ロープウェイは地元住民や観光客にとって重要なアクセス手段であったため、廃止を免れました。そのため、多くの歴史的設備が残り、日本機械学会からは2012年度の機械遺産に認定されています。

運行状況

吉野ロープウェイは、地域住民に利用されるため、定期乗車券も販売されていますが、運行時間は限られています。2017年にはゴンドラの駅施設接触事故が発生し、工事が必要となったことで長期間運休する事態に陥りました。最初は短期間の修繕が見込まれていましたが、後にさらなる損傷が発見されたため復旧期間は長引きました。結局、2019年3月23日に約2年ぶりに運行が再開され、運賃も見直されました。

路線及び運賃

路線の距離は349メートルで、高低差は103メートル、最大勾配は27度に達します。運行速度は2メートル毎秒で、28名を定員とするゴンドラが使用されています。運行は毎日行われていますが、祝日を除く火曜日から木曜日は代行バスが運行されるため、注意が必要です。また、観桜時期には特別便が設定され、混雑期には便数が増えることも特徴です。

ゴンドラの歴史

吉野ロープウェイのゴンドラは、開業当初は20名用でしたが、1966年からは28名乗りの「かえで」と「さくら」の2台で運行されています。これらのゴンドラは近畿車輛によって製造され、2013年までは近鉄特急のカラーリングが施されていましたが、その後新しいデザインに変更されています。

現代のロープウェイには珍しい客室内の階段状デザインは、技術の未熟さを示すものであり、過去の名残として大切に受け継がれています。

結論

吉野ロープウェイは、その歴史的価値や技術の証として、地域の交通手段として重要な位置を占めています。観光地での乗客を運ぶだけでなく、地域住民の日常の足としても利用されています。今後もその魅力を保ち続けることが期待されます。

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