吉野都美男

吉野 都美男について

吉野都美男（よしの とみお）は、1926年4月29日に埼玉県北埼玉郡南河原村で生まれました。彼は日本の実業家および政治家として広く知られ、特に南河原村の村長としての活動が印象的です。彼の人生には数々の浮き沈みがあり、特に政治経歴においては波乱の連続でした。

幼少期から実業家へ

吉野は地元の学校である旧制熊谷中学校を卒業後、スリッパ製造業に従事しました。彼は吉近企業の監査役をつとめ、地域経済に貢献していました。また、南河原村の助役に就任し、地域の行政にも関わりを持つようになりました。

村長としての活動

1975年8月、吉野は南河原村の村長に就任しました。村の発展に対して熱心に取り組み、地域の発展に尽力しました。しかし、彼の村長としての仕事は決して順風満帆なものではありませんでした。

横領事件とリコール

1984年2月、地方自治体の公金を不正に流用したとして逮捕される事件が発覚します。この事件は、彼が経営するスリッパ工場の資金難から起きたものでした。1985年1月にはリコール請求が行われ、住民投票が実施されました。その結果、村民の過半数が彼の解職を支持し、村長を辞任することとなります。

次の村長選挙ではリコール派の橋本治雄が当選し、吉野は政治的な地位を失いましたが、諦めることなく1993年の村長選に再挑戦しますが、再び橋本に敗北してしまいます。

2度目の村長選当選

しかし、1997年に再度村長選に立候補し、当選を果たします。その際の投票率は90.50%と高く、地域住民の支持を受けましたが、彼の政治経歴はさらなる試練が待っていました。

村政の運営中、地方税の長期滞納が発覚し、村議会からも辞職勧告が出される事態に陥ります。ただし、村議会は不採択とするも、その後行田市での当て逃げ事件を引き起こし、再度のリコール請求が行われました。1999年1月31日の住民投票で再び解職が決定し、これにより彼は日本の市町村長として二度のリコールを受けた特異な存在となります。

晩年

2005年12月12日、吉野は79歳でこの世を去りました。彼の人生は実業家としての成功と、政治家としての失敗が交錯したものであり、多くの人々に記憶され続けることでしょう。彼の住居は埼玉県北埼玉郡南河原村の地域にあり、地域における彼の影響は今なお感じられています。

参考文献

• - 通商産業省大臣官房調査統計部 編『全国工場通覧 昭和45年版』日刊工業新聞社、1969年。
• - 信用交換所総合事業部 編『全国繊維企業要覧 昭和57年版 東日本篇』信用交換所大阪本社、1981年。
• - 『埼玉年鑑 昭和58年版 本編』埼玉新聞社、1982年。
• - 『埼玉年鑑 昭和59年版 別冊』埼玉新聞社、1983年。
• - 地方自治総合研究所 編 『自治総研 25（8）（250）』地方自治総合研究所、1999年。

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