名作の風景

『名作の風景』（めいさくのふうけい）は、1995年10月7日から2005年3月26日まで、日本のTBSテレビで放送された紀行番組です。

毎週土曜日の夜、21時54分から22時00分までのミニ番組として放送されていました。

番組の概要

この番組は、世界に名だたる絵画、音楽、あるいは映画といった様々なジャンルの「名作」を取り上げ、それがどのように生まれ、どのようなエピソードがあったのかを紹介する内容でした。単に作品の解説をするのではなく、その作品が誕生するに至った背景や、制作当時の時代背景にまつわる物語に焦点を当てていました。

そして、番組の大きな特徴として、これらの名作にゆかりのある場所や、作品が生まれた舞台となった場所の美しい映像が豊富に使われた点が挙げられます。紀行番組というジャンル名の通り、視聴者はまるでその地を訪れたかのような感覚で、作品世界の奥行きを感じることができました。

番組の冒頭には、毎回のように航空機のコックピットからの視点を捉えた映像が流れ、視聴者をこれから始まる紀行の世界へと誘う、印象的な演出が用いられていました。

放送期間中の変化

番組の放送期間中には、いくつかの変更点がありました。

特に注目されるのが、番組本編が終了し、提供クレジットが表示された後に挿入されていたTBSの局名告知画面です。この演出は1998年10月から1999年3月にかけて見られました。画面の右側からTBSテレビのチャンネル番号である「6」を模したマークが出現し、その下に「TBS NETWORK」、さらにその下に「Tokyo Broadcasting System」という文字が同じように右からスライドして表示されました。この映像に合わせて、「TBS6（ティービーエスシックス）！TBS6（ティービーエスシックス）！シックス〜！」というナレーターによる特徴的な早口言葉の音声が流れるという、ユニークなものでした。

この局名告知画面は、当時の提供スポンサーであったフォーラムエンジニアリングの提供期間中に実施されていました。

しかし、1999年3月に提供スポンサーがフォーラムエンジニアリングから変更されることに伴い、翌4月からは日本航空（JAL）が単独提供する形となりました。このスポンサー変更と同時に、先述のTBS製作画面も廃止されました。

その後、2002年4月には、提供スポンサーである日本航空の企業名の読み上げが、従来の日本語ではなく、英語表記に基づくものへと変更されています。

番組終了後

『名作の風景』が2005年3月にその歴史に幕を閉じた後、同じ放送時間帯、同じ紀行ミニ番組の形式で、全日本空輸（ANA）が提供する『私的チャイナビ』が後継番組としてスタートしました。

他系列局での放送

TBS系列のローカル局においても放送された実績があり、中部地方を拠点とする中部日本放送（CBCテレビ）でも、一時期この『名作の風景』が放送されていたことが確認されています。

短い放送時間の中に、名作の誕生秘話と美しい紀行映像を凝縮したこの番組は、多くの視聴者に親しまれました。

もう一度検索