名例律

名例律とは

名例律（みょうれいりつ）は、日本の古代法における制度の一つで、刑事に特化した内容を扱っています。この法律文書は、他の律とともに、日本の法令体系の基礎を築く重要な役割を果たしています。名例律は、唐律を基に作成されたものであり、大宝律および養老律の中に位置しています。日本律全体の12編のうち、名例律は第1編にあたり、律全体の総則的な規定を定める最も重要な文書です。

歴史的背景

「名例律」という名称が示す通り、「名」は刑罰の名称を指し、「例」は法例を意味します。この律の冒頭部分にあたる内容は、主刑に関する規定や、減刑に関する具体例、さらには贖罪や官当、付加刑に関する定義を含むものです。この律は特に、重大犯罪と見なされる「八虐」や「六議」、さらには併合罪や共犯、連坐に関する重要な原則を具体化しています。中には、大宝律が制定される以前にすでに文書化されていたという説も存在します。

大宝名例律については、全条が散逸してしまい、現在の所は逸文しか残されていません。その一方で、養老名例律の前半部分は現存しており、後半に関しては不明な点が多くあります。このことから、名例律の内容は時代とともに変遷してきたことが伺えます。

構成と内容

1870年に制定された新律提綱の冒頭に位置する名例律は13条から構成されていますが、1873年に改定された律例では、名例律が100条にまで拡張されました。この改定では、主に身分犯罪に関する29章が設けられており、その内容には五刑や勅奏官位犯罪条令、閏刑などが含まれています。

また、同年には、郵便犯罪に関する罰則や鉄道に関する犯罪罰則が設けられ、法整備が進められました。これにより、名例律の内容はより具体的かつ実践的な運用がされることとなりました。

参考文献

名例律に関する研究は、古代法制やその変遷を理解するために重要です。さまざまな著作が古代日本の法制に焦点を当てており、その中には会田範治『唐律及び養老律の名例律梗概』や、利光三津夫による複数の著作が含まれています。これらの文献を通じて、名例律の成り立ちやその意義をより深く学ぶことができるでしょう。

まとめ

名例律は、日本の刑法の基盤を支える重要な文書であり、その内容は日本の法制度の成長を示すものです。歴史的背景や構成を理解することで、古代日本における法治の在り方を知る手助けとなります。

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