名古屋大学教育学部附属中学校・高等学校

名古屋大学教育学部附属中学校・高等学校

名古屋大学教育学部附属中学校・高等学校は、愛知県名古屋市千種区不老町に位置する国立の中高一貫教育の学校です。略して「名大附属」とも呼ばれ、名古屋大学教育学部の附属校として教育学の実践と研究に取り組んでいます。この学校は、国立の中高一貫校としては唯一の併設型であり、小規模なクラス編成を活かし、柔軟で多様な教育プログラムをデザインしています。

学校の特色

この学校は、教育課程に総合的な学習の時間や特別な科目を取り入れています。従来から「総合人間科」という科目を設けており、全校的なプロジェクトや学習体験を通じて、生徒の自発的な思考やチームワークを育むことを目指しています。特に、2006年からは「スーパーサイエンスハイスクール (SSH)」や「スーパーグローバルハイスクール (SGH)」に指定され、科学技術や国際的視野を持つ人材育成に注力しています。さらに、新たにSSH科学技術人材育成重点枠としても指定され、教育プログラムはますます充実しています。

沿革

この学校は1947年に岡崎高等師範学校附属中学校として開校し、その後名古屋大学への移管を経て、1952年に現在の名称に改称されました。60年以上の歴史を持ち、一貫して教育の質向上に努めてきました。特に、2004年から国立大学法人法に基づく法人化を経て、さらに2020年には東海国立大学機構に移行し、名古屋大学の支援を受けながら教育活動を展開しています。

授業とカリキュラム

授業は通常、50分間で行われ、2006年度以降は高校生に対して水曜日には7限授業が実施されるようになっています。また、高校生向けには大学との連携による「学びの杜・学術コース」が設けられ、より専門的な学問を深める機会が用意されています。中学3年生に対しては、学術コースよりも難易度の低い「学びの杜・総合コース」が提供されています。授業内容は独特で、SLPIやIIなどの多様な特色ある授業が実施されています。

校舎と設備

名古屋大学東山キャンパス内に位置する校舎は、近代的な設備が整った環境にあります。体育館やテニスコート、プール、柔道場などの運動設備が豊富にあり、授業や行事で豊田講堂や博物館を利用できる利点があります。最近の校舎改修により、交流棟や中学・高校棠などが新設され、耐震補強工事も行われています。各教室にはエアコンが設置され、快適な学習環境が提供されています。

学校行事

光粒祭という名称で知られる学校祭は毎年行われ、生徒が主体となって企画・運営されます。この祭りのテーマは「一人ひとりが光り輝く粒」とし、生徒たちの交流を重視しています。その他にも中学演劇コンクールや体育祭など多くのイベントが行われており、地域の人々とのつながりを大切にしています。

服装と校風

学生の服装は冬服、夏服ともに規定があり、制服がきちんと着用されています。ただし、2024年度からは制服が廃止されることが決まっています。校風は自律を重んじ、自由な雰囲気で学生が自主的に学び、成長することを促進しています。

教員と校長

教員は名古屋大学からの専任教師と県教育委員会から派遣された教師が在籍しており、専門性の高い教育を提供しています。校長は教育発達科学研究科及び教育学部の教授から選出され、その任期は2年です。

名古屋大学教育学部附属中学校・高等学校は、豊かな歴史と独特の教育プログラムを持ち、未来を担う人材の育成を強く志向しています。

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